extra stage <フュリーと



エドとアルが新しいたびに出た。

あたしはというと持ち前の順応力を生かして
通っていた図書館になじみ、司書見習いとして働き始めていた

「返却、お願いしたいんですけど…」
「あ、はーい」

まだまだ覚えることが多いけど、返却処理はすでに任せてもらえている
少しずつではあるけれど、自分の仕事が増えていっていた





数少ない返却処理の中で、目の前の人のカードの名前を見た時一瞬停止してしまった

ケイン・フュリー。

もしかしたら、ジャン兄さんの言ってた、フュリー軍曹さん?
今日は非番なのかな、私服だ。
…あたしのこと知ってるのかな?

そういえば、あたし今日もうすぐ終わりだし…
声、かけてみようかな

そんなふうに脳内で思考をめぐらせながら
終業時刻までのんびりと仕事を進めていった


荷物を持って一度裏から出て、図書館に戻る

「お疲れ様、ちゃん」
「お疲れ様です」


返却処理をしてもらいにカウンターに行くあたし

「あ、もう読んだのね、それ」
「えぇ、だいぶ読み進んできたから」

童話だけでなく、今はいろいろな国の伝承とかにも手を出している
この国が元の世界に近いところもあることがよくわかってきた。
違うところのほうが多い気もするけどね

さて、と、フュリー軍曹さんらしき人は、どこかな?


図書館の中を歩き回って、読書コーナーで発見

「軍曹」
「はい?」

かまをかける程度のつもりで、階級で呼んでみたんだけど…
ビンゴだった!よかったー

「ってえ?…えっと…」
「こんにちわ、フュリー軍曹。・ウィスティリーです」
「……あぁ!」
「わかりましたか?」

彼の表情がほっとした風になった。
どうして自分が軍人だということを知っているんだろう、って思ってたのかな。

きれいな色だな…ここまできれいな白も珍しいかも
この人は軍人になって長くないのかな

「…さっき、返却コーナーにいましたよね?」
「えぇ、こないだからここで司書見習いとして働いてるんですよ
フュリー軍曹は今日は非番なんですか?」
「はい、ちょうどよかったので先日借りた本を返しに」

礼儀正しい人だな…。
ジャン兄さんが、あたしと同い年だって言ってたけど…ほんとかな

「…フュリー軍曹っておいくつなんですか?」
「僕ですか?今年19になります」
「あ、じゃあ同い年ですね!」
「…え?」
「あたしも今年19になるんですよ。聞いてなかったんですか?」
「そこまでは聞いてなかったです…」

本気でびっくりしてる、まぁ、あたしって童顔だからなー…
年相応には見られないことのほうが多かったし…

「じゃあ、同い年なんだから敬語はなしってことでよろしくお願いします、フュリー軍曹
ケインって呼んじゃってもいいですか?」
「………いきなり…ですね」
「だって、年が近い知り合いってここに着てから初めてだから…
うれしくって、ね?」

これは、本心からの言葉でもあるけど、彼に対する探りでもあった
“ここに着てから”という意味を彼が知ってるかどうか、ということ

「…そうだね」
「これからもよろしくね」
「こちらこそ」

その答えは、“Yes”。
彼の表情が一瞬、苦しげなものになったから。
そして、絞り出すような声での、肯定。
もう少し隠し方、上達しなきゃね?
軍人さんなんだし。

「この後、ケインのご予定は?」
「官舎に帰って寝るだけ…だけど」
「じゃあ、ちょっと寄り道しない?」

それが、あたしのことをきちんと話したい、と言うことだって事に気づいて欲しかった
彼も、マスタングさんの部下なんだから、平気だと思ったし
肯定の表情には、ちゃんとそれをつかんでいることを示す雰囲気があって。

「まだ、読むでしょ?あたし本探しに行ってくるね」
「わかった、僕はここにいるから」
「りょーかい」

そんな会話をして、あたしは彼・ケインのそばから離れた。
よかった、仲良くやっていけそう
年の近い人がいるのは、すごくうれしいな

それに、あたしが決めたことを、止めないで居てくれそうな気がする。



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