翌日。




他の新入隊員は、まぁ、それなりに戦い、終わっていた。


「最後はお前か…女だろうがなんだろうが手加減はしねぇぞ」


席官の男の人がひひ、っと笑って木刀を構える。
今回の試験は全員木刀を使用する。
ただし、五席以上にたどり着いた場合は、自分の斬魄刀を使用してもかまわないそうだ。

「はい、よろしくお願いします」

そういってあたしは、久しぶりに本当の構えを取った。
あたしのホントの先生たちが、「にはこの構えが一番合うね」と言わしめたもの。
席官さんだもの、本気でやらなきゃ失礼よね。


「…よし、草鹿。始め!」







一瞬だった。


開始の合図ともにあたしの姿が消えて、彼の後ろに現れたのは。


「やっぱりはぇえよなー…。」
「最強コンビ健在」
「なんだそれ、おい」
「あ…えっとですね。俺ら二人、あいつと同じクラスだったんですけど。
特進クラス最強コンビの片割れです。あれ。何しろもう4年の時点で「始解」やっちまってたし」


その言葉と同時に、十席が倒れた。
後ろから、木刀も使わず、トン、っと押してやっただけなんだけどなぁ…。
それに、始解は、その時まで使う必要が無かったから使わなかっただけだよ。
…絶対に誰にも言わないけど。

「……ほー」
「よし、終わり。さっきからの話聞いてるが…九席、お前どうする」
「やるにきまってんだろ」
「っし行って来い。」


周りの本当の強さを見抜けていた数人が
行って来いの脳内変換を『逝って来い』にしたものは少なくなかった。


「はじめ!」


そのまま、順調に進んだ。
6席にもなると、さすがに少してこずってしまったけど。
負けるのすっごい嫌いだもの、あたし。
あたしが負けていいのは、左陣さんや、おにいちゃんたちだけだもん。


「とうとう僕の出番だね。いっておくけど、負けてあげないよ。」
「それは、戦いが終わってからどうぞ。」

そういって改めて木刀を持ち直したあたしを見て、にっこり笑った綾瀬川さん。

「よし。五席綾瀬川対草鹿。始め!」


先手必勝。
す、っと姿を消したあたしに、逆に近づいてきた綾瀬川さん。
そばで笑顔で言葉をつないでくる

「ね?言っただろう?」

笑顔を向けてす、っと歩法の速度を上げたあたし。
思いっきり腹に木刀を突っ込んでやりました。


「お疲れ様でした、綾瀬川さん」
「…本当に強いなぁ…」

うずくまってしまった綾瀬川さんにさらりと言いはなつと
斑目さんがそばに寄ってくる。

「おもしれぇなー…。よし、鍛錬場に場所を移す!」
「次のお相手は四席ですよね?」
「いや、うちに四席はいねぇよ。」
「え……ってことは。」
「だから言っただろうが。移す、ってな」

あっりゃー…。つまり次は斑目さんなのね。

「斬魄刀使え。下でやる。お前ももう十分体はなじんだだろう」
「…まるであたしがあなたのところまですんなり行くとわかってたような発言ですね、斑目三席」
「……昨日あのあと思いっきり騒がれたんだよ、副隊長に」


あー…………なるほど。
鬼事のせいですか。

『決まりですね』

……そうみたいね。


ぞろぞろと十一番隊鍛錬場に足を踏み入れると、すた、っと上から降りてきた人間が居た。
あ、やちるちゃんだ。

「ね、だからいったでしょー?つるりんー」
「だからそのあだ名はやめやがれチビ」
「………三席。それはあたしにも禁句なので、お忘れなく?」

にっこり、と笑って言ってやる。
結構これ怖いらしいんだけどねー。
ひくひく、と顔をひきつらせたままの斑目さんが口を開いた。


「…始めるか?」
「はい」


す、っと斬魄刀を抜いたあたしの雰囲気が変わる。
空翔、ありがとう。


「始解はどうする」
「とりあえずやり合ってから決めます。」
「そりゃぁいい。」


そういって彼も斬魄刀を抜く。
ふふ、久しぶりーv
先生たちの始解、一度ずつだけど、見せてもらったことがある。



すごくきれいだったよ…。



『目指しましょう。俺も負けません』
「あたしは、空翔の始解も大好き。だからもっともっと、強くなろう」
『そうですね』


キンっ!といういい音が響いた後、姿の見えない戦いが始まった。
もちろん、やちるちゃんや綾瀬川さんには見えているだろうな。


「…始解しようか。やっぱりさすがにきつい」
『体力もかなり消耗していらっしゃるようですね。遊びすぎです。
「へへ、ごめん。」
『直接型で?』
「ここではね。いくわよ。」
『はい』
「参ります。
天高く舞い 駆けよ 空翔」


す、っと刀を差し出したあたしは、直接型用の始解言霊を述べた。
そのとたん、剣は長くなり、あたしの身長を超える。
能力はまだ、内緒。


「早いな、思ったより」
「ちょっと遊びすぎてました。疲れてますね」
「余裕をかましやがるな。」


ふふ。だってこんなところで使うのいやだもん。
あたしの空翔の羽はね。


やっぱりあれは、空舞う羽であるべきだから。
あたしが斑目さんに攻撃を仕掛ける前に、すんでのところでよける。
うー、やっぱりちょっとこのままじゃきついかー…
結局斑目さんに一本取られて試験は終わった

「やめ!」
「はーー………つかれたぁ…。」
「やりやがるなー。結構きちぃわ。」

おたがいに荒い息のままで会話を続けていると
後ろから現れた隊長が、さらりと言い放った。


「決定だな、斑目」
「はい、ってなわけでよろしく、草鹿四席」
「………はいぃっ!?」

よ、四席ぃ?!
ちょっと待ってよ!!!

「…本気ですか」
「もちろん。僕も斬魄刀をつかっていれば負ける気は無いけど
…僕は四という数字があまり好きではないんだ」
「って言うわがままを言いやがるからな」


あー…なんか目立ちそうーやだなーーー。

左陣さんとおじいちゃんになんていおう。
とりあえず報告には行かないとだよねぇ…。


「明日には階級章やるから。よろしくな、四席」
「…了解しました」


斬魄刀を付け直し、あたしが立ち上がった瞬間、やちるちゃんが飛びついてきた。

ちゃんちゃん」
「なぁに、やちるちゃん」
「鬼ごっこー!」
「あぁ…明日じゃ駄目?さすがに今日は疲れちゃった…」
「…あ、そうだよねー…。じゃあ、明日ね!絶対だよ!」

そういってにっこーー!っと笑うやちるちゃんにあたしは、微笑を浮かべた。
やっぱりここにしてよかった!



解散をして、んーーー…っと伸びをしながら隊主室の上に居ると
地獄蝶がやってきた。


、結果を報告に来るようにな byじーちゃん』


……じーちゃん。
さーいーーあーーーくーーーーっ!!!


地獄蝶は役目は終わった、といわんばかりにひらひらと飛んでいってしまったので
あたしはそのまま、隊主室に向かった。


「ふぅ…………十一番隊 草鹿、参りました」
「お入りください」


じーちゃんは奥かぁ。
副隊長さんの声だとわかり、中に入る


「隊長は奥でお待ちです」
「はい、ありがとうございます。」


副隊長さんはあたしのことを知りません。
でも、呼び出したのは聞いてるのね。
…ったく、変なうわさ広がってもしらないよー、おじーちゃん。


「草鹿、入ります」


奥に入ると、じいちゃんだけだった。
ありゃ、予想外。


「よくきたのぉ、
「…もうちょっと呼び方ないのー?」
「いいではないか。どうだったんじゃ?」
「…四席」
「ほっほっほ。やはりそうじゃろうと思ったよ。
あそこはどうも、書類の回りが悪くてのぉ…戦いを好む奴らばかりだから
書類が滞るのじゃ。まぁ、しばらくまわしてやってくれ」


…じぃちゃんったら。
もう…、もしかして、その気だった?
あいっかわらずくえないじいさんだよねー、じぃちゃんは。


「あぁ、それから雨乾堂にも訪ねてやるように。
もちろん、草鹿ではなく、な?」
「…もー…おじーちゃんの意地悪」
「ほっほっほ。狛村がさみしがっとるぞ」
「わかってるもん。でもさぁ…」
「心配せずとも、わかっておるよ。それがおぬしの一番のわがままじゃの」
「うん。」


出来るならもう少し、草鹿でいたい。
もうすぐ、あの日がやってくるから。


父さんと母さんが死んだ、あの日が。


…あたしが初めて、人を斬ったあの日が。



「草鹿にいくのじゃろう」
「うん。任務とかがなければね。任務はまだ一人では駄目だろうし」
「それはそうじゃろう。実力と階級はあっても、まだ、おぬしは新人じゃからの」
「わかってます」


みにしみてますよぉーだぁ!
あたしは、ずず、っとおじいちゃんが出してくれたお茶をすすった後立ち上がった


「もう行くのかの?」
「家に帰って着替えるの。草鹿は死神の名前だもの」
「…そうか」
「あとで着替えたら見せに着てあげるv」
「楽しみにしておるよ」




+++++++++++++++++++++++++++++++++++++
…えーっと最強主人公登場です(遠い目)
まぁ、設定が設定なので…

次からが書きたかったところですv



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