時は流れ、一斉入隊式の日。



「松本
「はい」


隣にいたが立ち上がって、まっすぐに、乱菊さんと日番谷隊長を見つめた。
その瞬間、乱菊さんが息を呑んだのが、わかった。


よかったじゃん、
ちゃんと覚えてるよ、乱菊さん。


「あとでね、
「うん」


こちらの寮での同室が決まってたあたしたちは、昨日のうちに決まっていた寮室に
二人で荷物を運び込んでいたから、楽チンなのだ


「よし、以上の奴らは付いて来い。十番隊隊舎に案内する」
「はい」」


隊長羽織を翻した隊長さんと、その言葉に意識を取り戻した乱菊さんが一緒に、今回の入隊者を連れて立ち去っていった。


「十一番隊に入隊する者。名前を呼んで行くぞー」


次に十一番隊のそれが始まった。
斑目一角さんだったかな?3席の人だ。
ふふv楽しみv



「草鹿
「はい」



残っていた、十二番隊、十三番隊の人が一瞬ざわついた。
そりゃそうだよね、女でなおかつチビだもん、あたし。


でも、そんじょそこらの男には負けないよ。


「よし、以上の奴らはついてこい、案内する」


斑目さんのその言葉にあたしはやっと、「草鹿やちる」さんにあえるんだ、と実感がわいた。


「ここが隊舎だ。あーっと…草鹿だったか?」
「はい?」
「女にはむかねぇほど、男くさいし、きたねぇ。今覚悟決めろ」
「あ、大丈夫ですよ?あたしの名前で予想ついてません?」
「……あー…やっぱお前見かけによらねぇな、副隊長と一緒だわ」

一角さんが、自分の頭をかりかりかきながら、他の人と一緒に待っているあたしを見てドアを開けた。

「おぅ、来たな。」
「とりあえず今日は案内だけだ。明日は試験するからな」
「試験?ですか」
「そうだ、新入隊員の力試しだ。俺ら席官と戦うんだよ」


他の新入隊員がげぇ、という雰囲気を出したのと反対にあたしはひどく楽しみだった。
だって…久しぶりに本気で戦える、と思ったから。

ぶっちゃけた話…、稽古つけてくれてたのが左陣さんと、春水兄さんと、十四郎兄さんと、じいちゃんだなんていえないよねぇ。
…良く稽古になってたよ、うん。

「ねぇねぇ、あなたが ちゃん?」
「…そうだけど…」

上から降ってきた言葉に見上げて答えると
ストン、と女の子が降りてきた。
あ、背丈変わらない。あたしと。
もしかして…。

「やっぱり!!あたしやちる!よろしくね?」
「副た」
「や、ち、る!」

やっぱり『草鹿やちる』さんだ。
わー、可愛いーー!!!
普通に副隊長、って呼ぼうとしたら、途中で口を挟まれた。
うう。これはやちるってよべってことだよね。


「やちる…ちゃん。こちらこそよろしくね」
「うん、ちゃんでいい?」
「いいよ!」


十一番隊最強女性コンビが誕生した瞬間だった。
と、後で斑目さんにいわれてしまった。


「つるりん、もう話し終わった?」
「あー……」
「あたしちゃんあんないしたいんだけど」
「…どうぞ、副隊長」
「やったね!いこう!ちゃん!」
「え、あ、うん」


半ば引きずられて、あたしは十一番隊隊舎を歩き始めた。
そのうち、つまらなくなってきたあたしは、やちるちゃんに提案をした。


「ねぇねぇ、やちるちゃん」
「なぁに?」
「鬼事、しよ?」
「よっし、しよ!」


やちるちゃんが副隊長なのはよくわかってる。
でも…、負けないよ。


「よーい、どんっ!」」


ぱひゅんっ!と言う音と同時にあたしとやちるちゃんが消えた。
十番隊隊舎のそばを通り抜けたり、十二番隊近くまで行ったりと
二人で鬼事を続けていた。


「すっごいーーー!あたしについてこれる女の子、初めて!」
「自信あるよ、っていったじゃん!」


瞬歩を使って鬼事をしているチビ二人は
お互いに並んだ状態になっている。


「よっし!剣ちゃんにあわせてあげる!」
「…って隊長?」
「剣ちゃんは剣ちゃん!」


もう、やちるちゃんって…。
でもいいかも、こういう関係も。
こういう子供のほうがよかったかなぁ、左陣さん。


「けんちゃーーんっ」


でっかい黒い背中にとびついた、やちるちゃん。
あたしは、そのとなりに、すた、っと飛び降りた


「なんだやちる。…お前は?」
「草鹿です。更木隊長」
「あー…お前がか。」
ちゃんとっても強いよ!」
「…ほぉ。そりゃ明日が楽しみだ。」


あたしはにっこり、と笑みを浮かべてご期待を裏切りませんよ、といってやった。
腰の空翔も、同じような雰囲気だった。

時間も時間だというのが空のかげり具合でわかったので、やちるちゃんと隊長に別れを言って
あたしは十番隊隊舎に向かった。
執務室に顔を覗かせると、目の前に立っていたのは十番隊隊長。


「すいません、えっと…ここに新入隊員の松本が居ると思うんですけど…」
「…お前は?」
「日番谷隊長!十一番隊新入隊員の草鹿です」
「…もうちょっとまってやれ」


そういえばここは普通の執務室。
隊長が示しているのは、隊長室。
やさしいんだー、やっぱり。


「…心配要らなかったじゃん、
「…知ってたのか、お前」
「入学当時からの友達ですから。とは。」
「……あいつも酔うたびに言ってたぞ。妹が居た、って。
いくらなんでももう死んでるだろうけど、あの子はどうしてるんだろう、ってな」


へぇ…。なんだ、やっぱり心配いらないよねぇ。
ふふ。よかった。


「じゃあ、お言葉に甘えて待たせてもらってもいいですか?隣の隊員なんですけど」
「あぁ、好きにしろ。俺はもう帰るから、出てきたら言っておいてくれ。」
「はい、お疲れ様です。日番谷隊長」


そういって彼は見送ったあたしは、おとなしく腰を下ろして待っていた。


数分後。


「…あ、!!」

「あなたがちゃん?ホントだ可愛い!」
「でしょでしょ!」


やっぱりの姉はこういうタイプか。
予想はしてたけどさ。
そう、今あたしはおもいっきりむぎゅぅ!っとされているのだ。


「えと、松本副隊長!」
「乱菊でいいわよ、乱菊で!」
「…乱菊さん、日番谷隊長が、先に帰るって伝えろっていってました」
「あ、帰ったのね。気を利かせたつもりかしら。そういえば、あんた寮よね?」
「うん」
「じゃあ、明日御飯食べに行きましょう。安くておいしいところ教えてあげるわ。」

そういった乱菊さんをみて、の笑みが深くなった。
もちろん、あたしらだって料理は出来るけど。
そういうのって結構ありがたいもんね。

「ありがと、菊姉ちゃん」
「いいのよー。久しぶりに会えたんだもの」
も来る?」
「あー…明日は十一番隊の試験があるからねー…それ次第かも」
「あんた十一番隊なの?!あっらー……。」


3人で寮のほうに歩いていきながら、そんな会話をしていた。
二人とも背高いから、真ん中に挟まれるの勘弁かなぁ。

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きりようがなかったので微妙に長いです、個人的には。

短編書きの人間なもので(苦笑)

乱菊さんと日番谷さんのコンビは何気好きです。
だっていい感じじゃないですか!

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