翌日、あたしは終業後瀞霊邸へと向かう道に居た。
門番さんに声をかける。


「山本総隊長から、こちらに来るように言われました。草鹿です」
「伺っております、どうぞ」


門が開き、あたしは隊舎へと入った。
一番隊への道は、今更迷うものでもない。
めんどうだったあたしは、瞬歩を使い総隊長室の前にたどり着いた

周りに人がいないことを確認して、ふうとため息を一つつき
ドアをノックし、久しぶりに本当の名前を言った。

「狛村です、参りました」
「入れ」

ドアが開いた先に居たのは、総隊長、そして…あたしの現在の保護者、狛村左陣、七番隊隊長だった。

「……何の御用でしょうか?山本総隊長」
「心配せんでも、他に誰かが来ることは無いぞ、よ」
「…なんのようじですか、おじーちゃん」
「冷たいのぉ…折角儂がうちか7番隊に入れてやろうと思っていたのに
まさか十一番隊に希望を出してなおかつ迎えられておるとは」

よよよ、とまったくもって本気になれないような態度でいいはじめる
おじいちゃん―山本元柳斎重國一番隊隊長及び東梢局総隊長がそんな言葉を発する。
はぁ、とため息をついたあたしは、きっぱりと言い返してやった。


「いったはずだよ、おじいちゃん。あたしは、まだ『狛村』を名乗るつもりはないと。
左陣さんも認めてることです。あたしが七番隊に入るのは…それが『必要』だってわかったときです、と。」
「…元柳斎殿、だから儂も先日からそう申し上げてきたでしょう」


そういって、あたしを支えてくれたのは鉄笠をはずしている左陣さん。あたしが鉄笠が嫌いなの、わかってるものね。
もちろん、しょうがないのもわかってる。
ほんとはしょうがなくなんかないけど、まだ、左陣さん自身は、駄目なんだよね。


「左陣さん…。ずっと家に帰らなくってごめんなさい…。入隊して落ち着いたら必ず帰ります。でも…」
「わかっておる。寮暮らしをするのだろう?」
「左陣さん!!」


もう、さすが左陣さん!
あたしがまだ草鹿を名乗ってることだけは、ホントに申し訳ないけど、やりたいようにやらせてくれて
本当に感謝してる。。

「もうすぐ霊術院は卒業試験ではないか?」
「うん。でも、歩法・斬術はあたし免除なの。あたしが受けるのは白打と鬼道だけ。
反対に友達は、歩法と斬術の試験受けるから、二人分で一つにする気みたいね、先生。」
「ふむ、その友人にもあってみたいのう」

おじいちゃんが、自分のおひげを撫でながら、あたしと左陣さんの会話に混ざってくる。

「だぁめ、おじいちゃんと左陣さんのこと、言ってないもん。」
「ちなみにその子はどこにきまったのじゃ?」
「十番隊。お隣さんだよ。ちなみに…実はね。松本乱菊さん、っているでしょ?」
「おるのぉ、十番隊の副隊長じゃ」
「乱菊さんの、妹なんだよ、あたしのお友達v」
「なんじゃと!?それはまた!」

さすがのおじいちゃんもこの話にはのっかってきたなぁ。
うふふ。左陣さんもぽかぁん…だ。

「もちろん、も乱菊さんが覚えてるかどうかなんて自信ないよ?っていってた。
でも、大事なお姉ちゃんだもん!って。それでおっかけてきたんだって。」
「ほほぅ。それはいい話じゃのう。松本にそれとなく聞いておこう。ちょっとしたきっかけにはなるじゃろうて。」
「松本って名前はそう珍しくも無いから、気にしないで入れたんだと思うしね、隊長さんも」

それに、確かに十番隊向きだもん、は。
聞いた話に寄れば、だけど。
そんなとき口止めをしなきゃいけないあの二人が近づいてきている気配がした。
気のせいだと思いたかったそれは、ノックとともにつむがれた言葉によって現実になる。

「浮竹、京楽参りました、総隊長」
「げ」
「…儂は先に……」

外に出て行こうとする左陣さんをじいちゃんが笑顔で止める。
勘弁してください。お願いだから。

「入れ、二人とも」
「失礼いたします、先生」
「失礼するよ、山じい」

そして、霊術院の制服のままのあたしを見て、びしぃっ!と固まってくれた。
さっいあくーーーー!!!
せっかくいまのいままでふたりにはばれてなかったのにぃ!!!

「……
「ごめんね?あたし、みんなのそばに立ちたかったの。だから…、内緒で入学したの。
もちろん、最初は左陣さんにも反対されたけどね」
「儂も、この子の最大のわがままには敵わんかったのだ。では…。」

鉄笠をかぶった左陣さんは、そのまま一礼をして、隊主室を出て行った。
…逃げたな、左陣さん。

「ちなみに、あたし今年十一番隊に入隊するから」
「なっ!?」」
「よりにもよってなんで十一番隊に…うちにくればいいものを…」
「だって、強くなれないでしょ?」
「…………そんなきっぱりと」
「兄さんたちもあたしに関わらないようにv」
「…………冷たいよ。果てしなく冷たいよ」


にっこり、と笑ったあたしに、春水兄さんはそういって顔を覆い
十四郎兄さんは、ふう、とあきらめの入ったため息を一つ、落とした。


「あ、それから、今のあたしの名前は、草鹿だからね」
「……
「だってあたしの故郷はそこだもの。母さんと、父さんが眠ってるのも、ね?」

じゃ、今度は一斉入隊式の時にね?とにっこりとした笑顔を浮かべたあたしも、失礼いたしました、とここをあとにした。

「山じい、知ってたんだね」
「…逆らえると思うかのう?」
「思えない。山じいはに甘いもんね。おおかた、ボクらにも黙っててくれって言われたんだろう」
「そのとおりじゃ。だが、さすがにのぉ、十一番隊に入ると決まった時にはわしも心臓が止まるかと思ったわい。
なんとかこの集まりで止められんものかと思ったんじゃが…」
「無駄足だったわけですか」


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第2話。

ここで語られてる設定を載せようかどうかかなり悩み中。
あまりに設定が多すぎて大変です。

ちなみに霊術院の設定に関しては勝手に作ってます。
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