あれから一ヶ月。
あのあと、逃げるように執務室を出て行き
そのまますぐに旅に出てきてしまった
あいつにすれば、ちょっとしたいたずらのつもりだったのかもしれない
だが、それは俺にとっては、頭が破裂するくらいの出来事
与えられた言葉
そして、やさしい、頬へのキス
― それは、あの人を思い出させる ―
+Side E.E+
イーストシティに戻ってきてすぐ司令部に向かった
アルにはあのキスのことを言ってない
でも、今あいつには会いたくない…。
そのとき、ふと思った。
他の人たちは、なんていうんだろう。
考え始めたら頭から外れなくなった
「アル、わりぃ、お前これ渡してくれるか。俺ちょっと話さなきゃいけない人がいるから」
そんな風に言いながらアルに書類を押し付けて
そのまま俺は司令室に向かった
中に入ったとたん、俺にその答えをくれた。
「あら、エドワード君。おかえりなさい」
「……」
「エドワード君?」
どうして、そんな風に迎えてくれるんだろう
俺には、帰る場所なんて必要ないのに…
そんなときにちょうど後ろから来たのは、ハボック少尉。
「よー、大将おかえりー。アルは?…ってお前足!」
同じ言葉ともに驚きの声。
あ、やべ、気づかれた
包帯取れちまったのか
アルには気づかせてなかった。
無理やりごまかし続けてきたのに。
中尉の顔が思いっきり険しくなっている
「…いつからその怪我をしていたの」
「……三日前かな」
正直に答えないと、余計に中尉を怒らせる気がした
俺の言葉に、ため息をこぼした中尉は、視線の先を動かした
「…少尉、エドワード君を医務室に連れて行って頂戴」
「アイ・サー。ほら、こいよ、大将」
「いい。すぐ直るこのくらい」
「だーめ。中尉の命令だから」
ずりぃよ…、中尉も少尉も。
そういわれてしまえば、逆らえない
おとなしく医務室に連行されるしかないのだ。
あー…こういう時ってほんとにタイミングが悪いよな…
目の前に現れたのは、一番今、会いたくなかった人。
…大佐。
「ここにいたのか、鋼の。アルフォンス君はフュリーの手伝いに…
…鋼の?その足は?」
「……大佐」
「まったく…君らしくもない、あぁ、ハボック。私が連れて行くから」
やんわりとハボック少尉を追い返した大佐。
俺は、内心バクバクになっていた
どうしてそうなるのかもわからないのに
それでも、この人のそばにいるのが、今はとってもつらい
「お帰り、鋼の。あまり弟に心配をかけないように」
怪我の手当てを丁寧にしてくれる彼
…なんでだろう。
なんでここまで…俺に。
「……」
「君は言わないのか」
「…何をだよ」
「ただいま、といってくれないのかな?アルフォンス君は言ってくれたよ」
…なんでだよ、なんで、何でそんなこといえるんだよ
あんたは知ってるはずだろう…俺のしたことを。
++++++++++++++++++++++++++++++++
管理人言い訳コーナー
エドはどうしたんでしょうね。
でも、ただいま、とはまだいえないんですよ、エドは
あたしは、ただいま、とか、おやすみ、とか、おはようとか
なにより、いただきますとごちそうさまは大切だと思います。
感謝ってことですからね。
昔『どうしていただきますって言うのかわからない』
といった子がいて、かなりガクッとなったことがあります