目を覚ますと、見覚えのある天井が現れた。
ここは…零番隊の隊舎だよね…?

「たいちょうーーーーー!!!!」

体を起こしてきょろきょろしているあたしにがばっと抱きついて来る誰か。
すぐに、藍だとわかる。

「…よかったぁ…!」
「心配したんですよ!隊長!」

えぐえぐ泣いている春ちゃんがそんな風に言ってくる。
藍はあたしに抱きついたままで泣いてるしね。

「…ごめんね、心配掛けて」
「もう、こういうのは勘弁してください」
「うん…。もう無いから、大丈夫」

体に異常は無いみたいだけど…なんかものすごく…恥ずかしい。
なんでだろう…。


とりあえずあったことを思い出そう、と思い振り返り始めると
真っ先に浮かんだのが、修兵さんの心配そうな顔。


あたし…好きっていっちゃったんだ。


一気に真っ赤になったあたしに、二人が楽しそうに笑った。


「夕方、副隊長が、檜佐木副隊長連れてきます、っていってましたよ!」


そんな言葉をしっかりと、いってくれる。
…あううう、どんな顔して会ったらいいんだろう……。








仕事が終わった檜佐木のところに、坂内がやってきた。
再び同じ道で行くのかと思えば、途中で地下水道に入る坂内。
すたすた進んでいく坂内に苦笑気味にいう

「…良く道わかるな」
「目印があるんです。ほら、これ。」

坂内が示したのは、角にとても小さく彫られた花。
よくみれば、こいつが付けていた副官章の花と同じものだった。


「なるほど…」
「詳しい話は隊長から聞いてください」
「…わかった」

坂内の案内でたどり着いた外は、家が一軒建っていた。
少しボロく感じたが、とりあえず後ろについて行く。
玄関を開けると、どこか坂内にそっくりな少女が出迎えてくれた


「おかえりなさい、副隊長。そちらが檜佐木副隊長ですか?」
「そうだ。俺たちの挨拶はあとだから、まず隊長のお部屋に案内してやってくれ」
「はい。こちらへどうぞ。」


ぺこり、と頭を下げられた俺はあわてて頭を下げ返した。
その子の案内で通された部屋には、たくさんの人間がそろっていた。


「みんな、応接間に集合していてくださいって。副隊長から」
「はーい」


俺を案内してきた少女がそう告げたと同時に、そろっていた人間が一斉に動き始めた。
俺にとってそれは今はどうでもよかった。


俺の視界には、体を起こしてこちらを見ている、しか入っていなかったから。


「……
「いろいろ、ごめんなさい」
「謝らないでくれ…、あのときの言葉が俺はほんとに嬉しかったんだから」
「……修兵さん…」


俺はの隣に腰を下ろして、視線を合わせた。
少しほほを染めながら自分を見てくるに、そっと触れた。

「話せる範囲でいい、教えてくれないか?今、いったい何があって、何が起こっていたのか」
「……零番隊、というものがあるんです。本来なら護挺十三隊所属以上の霊力を持つものが王族特務に入らず
こちらの方に残ることを望んだ、10名が所属しています。
秋都含めて、7人が十三隊にて霊力封印のもと現在も勤務中です。九番隊にはいらっしゃいませんが…
その関連で、総隊長、四番隊、七番隊、八番隊、十番隊、十三番隊の隊長もご存知です。」
「……なるほど。ここが禁踏地区なのもその理由か」
「そういうことです。」


話されていくことは、とても信じられないこと。
そして、自分が聞いてよいのかわからなくなるほど、遠い世界の話に感じた。


「…時折あたしが、霊圧を一度完璧に消したら、こっちの任務だと思ってください
基本的にはいつも昼からしかいきませんから。上位席官者はいまのところそういう形をとってるんです」
「坂内もその一人か」
「そうですね。唯一、三席なので十番隊は副隊長である乱菊さんにもその事実を告げてあります。
他は、席官外か、十席前後なので。」


そのときは追ってくるな、という意味なのもわかった。
…今の俺にはとてもこいつについていくことなんかできない、とわかったから。
俺にできることは、なんだろう。


…もう一度、聞かせてくれないか?」
「…え?」
「あの時、返してくれた返事を」


この心を決めるために。俺が何を守れるか、こいつの何を守れるかを見抜くためにも。
俺の心の内を理解したのか、とても真剣な目で、俺を見つめて返してくれた。


「…あなたが、大好きです。誰よりも」
「俺もだ」



あぁ。



そうだ。


守ろう。



彼女が好きだといってくれる限り。


この自分と、彼女を。


自分のできる限り。






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ふっふっふ。

零番隊結成後でしたしね、いろいろややこしいですが、一応恋話はここまでです。
もちろん、次から始まる原作沿いはこれにも絡めますが!