…どういうことだ。


俺は、ただ、の気配がどこをさぐってもないことがひどく不安に感じてしまった。
とっさに向かったのが、誰でもなく、狛村隊長の元だったのは、自分でも何故かわからなかった。

「檜佐木か………おぬしにも届いたのじゃな」
「え…」
「あの言葉はおそらく、が望まずに送られたもの。
わしだけでなく、ほとんどの、が大切に思う人間に届いておる」
は、あいつはどこに?!」
「狛村隊長!!!」

俺が問いかけたと同時に飛び込んできた、少年。
俺はその少年に見覚えは無かった。

「……臣か」
「……あ、檜佐木ふくたいちょ………!……早く、早く行ってください!隊長が待ってます!
あなたしか、隊長は救えない!早く!」
「…どういう、ことだ?」

俺は、目の前にいる臣、と呼ばれた人間の言葉の意味がわからなかった。
隊長?なぜあいつは隊長と呼ばれている?
そこに、もう一人の人間が増えた。

「檜佐木副隊長」
「……お前は」
「ご説明は道中でいたします。ついてきてください。臣六席、通常業務に戻れ。
隊長は、必ず檜佐木副隊長と俺がつれて帰る。」
「………かしこまりました、秋都副隊長」
「狛村隊長、申し訳ありませんが、後の処理はお任せいたします」


冷静になれ、という意味がこめられているのがわかる言葉。
す、っと丁寧に頭を下げる坂内の腕には、見覚えのない副官章がつけられていた。
……いったい、何が起こっているんだ。


「わかった。檜佐木は、ここにおることにしよう。東仙には言うわけにもいかぬしな。……を頼むぞ」
「……はい。零番隊副隊長坂内秋都の名に懸けて。」


口を挟む暇も無く、俺は坂内に手をつかまれ、瞬歩で、引き連れられていった。
そばに何人かの人間が走っていることに気付く。
坂内も気付いていたらしく、瀞霊廷のはずれにたどり着いたところで、一度止まった

「…天駆、藤堂」
「副隊長、私たちが深弥のように行くとお思いでしたか」
「……思っては無かった。だが……大人数で動くのは」
「わかっています。だから、行くのは天駆だけです。」

その言葉に天駆という名に聞き覚えがあることに気付いた。
…四番隊の、上位席官の一人だ。

「檜佐木副隊長、瞬歩、付いてこれますか」
「…これでも副隊長なんだけど」
「では、参ります。藤堂、お前の」
「はい、お使いください」


それは、地獄蝶だった。
…見覚えのあるものとは違い、羽が緋色の地獄蝶。
俺の周りについてくる。

それは、坂内の傍にもいた。
坂内が斬魄刀を抜く。


「…開錠」


現世にいるのか、あいつは。



現世にたどり着いて瞬歩で走って行く彼らに、半ば必死で付いて行く自分。

隊長は…、零番隊の隊長をなさっておられます。
そのことをご存知の方は少なく、護廷十三隊の隊長も半数の方しかご存知ではありません」
「…零番隊、ってなんだ」
「護廷十三隊の手に追えない任務をこなす秘密部隊です。本来なら、あなたであっても話すわけには行かなかったんですが…
この状況なら、中央四十六室も文句は言えないと思いますし」

力の差が思い知らされている気分だった。
任務の内容からして…全員が俺たちよりも上の能力を持つ、ということが良くわかる。

「……お前も、さっきの声、聞いたんだな」
「…零番隊隊員全員には確認いたしました。
狛村隊長もあのご様子だとお聞きになられているかと。」
「現世に来ても………あいつの気配が、しない。」
「…えぇ、まったく感じません。ですが……任務の場所は知っています。」

一緒についてきている、天駆が小さく呟く。

隊長、ご無事ですよね、秋都副隊長」
「当たり前だ、あのお方がどうかなるわけが無いだろう」
「…このあたりのはずですよね」

俺は、その言葉に辺りを見回す
そしてすぐに、見つけた。
あの時と同じ髪をした、を。

!!!!」

俺が駆け寄ると同時に、二人も近寄ってくる。
傷だらけの彼女をぎゅうっと抱きしめる、俺。
俺の声に気づいたのかゆっくりと目を開いていく彼女

…!」
「………しゅうへ、いさ…」
「わかるか?」
「…だいすき、だよ…誰よりも」
「俺もだ…。」

傍では、天駆が傷を治して行く。
坂内が立ち尽くした風に、傍に立っている


「ちょっと…疲れちゃった…」
「あぁ…、ゆっくり寝ろ。おきたら、いろいろ話そうな。」
「…うん。おやすみなさい…」


ゆっくりと眠りに落ちていった彼女をもう一度ぎゅうっと抱きしめた後
残っていた傷を治すように、おれ自身も治癒鬼道を使った。

「…もう、傷は無いよな」
「はい、もうないです…。でも…隊長がこんなに傷つくなんて」
「無事で…よかった」


心から搾り出すように言った言葉に、天駆が立ち上がり、坂内が俺を見た。
を天駆に任せ、俺も立ち上がる。


「そうですね…。戻りましょう。檜佐木副隊長、後ほど、迎えに上がります」
「わかった。」


そのままソウルソサエティに戻り、俺は狛村隊長にの無事を伝えた後すぐに自分の業務に戻った
おそらく定時以降以外には、坂内が迎えにくることはないと思った。
あいつもおそらく自分の業務があるだろうから。




全部、抱えて、支えてやる。



自然と、そう思えた。


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やっとくっついた!くっついた!

でも、呼び捨ては、二人きりのときにしかしないのが主人公です。
修兵さんって呼び続けますから!