あたしは、夢を見ているのではないかと思った。


同じ気持ちで、いてくれていたんだ。


修兵さんも。



でも、あたしがボーっとしている間に、修兵さんは去ってしまって
あたしも任務に行かなきゃいけない時間になってしまった。



一度零番隊の隊舎に戻ったあたしは、髪を整え、髪紐をつけて隊長衣をまとう。


隊長、お気をつけて」
「…うん」


拭い去れない『予感』を胸にあたしは、す、っと斬魄刀を抜く


「…開錠」


今日の任務は、現世のはずれ。
林の奥、肉体を食い荒らす虚がいるとのことだった。
巨大な霊力を抱えているらしい虚に、すでに十三隊の死神が何人か食われているらしい。

唯一帰ってこれた死神も生きてはいない。
帰ってきて、一言告げて、自分も命を絶ったらしい。


―…もう、何も信じたくない


なんとも現実感の無い言葉だろう、とあたしは思った。
そんな気持ちに、人をさせてしまう虚。




最低の存在だ。



また、あの門が開くのを、見ることになるんだろうな…。




すぐに虚の気配は見つけていた。
瞬歩でそこにたどり着くと…目の前にいたのは、とても見覚えのある


あの人の、姿。



「…左陣、さん?」
「…おいで」


あたしは思わず、近づいてしまいそうになった。
でも…はっと気付く。


あれは、違う。





生き残っていたはずの一人が言った言葉の意味がわかった。
…この虚は…、自分が大切だと思うものに化けるのだ。


それか、精神に直接攻撃する能力を持つのだろう。


「…あなたに、彼を装う資格など無い。罪を濯ぎ、堕ちなさい」

「呼ぶな。」
『主、冷静に。』
「………ありがとう、空翔」


「くく、いい勘をしているな。…でも、この姿ならどうだ?」


その言葉とともに目の前の左陣さんから、姿が変わる。
あたしの心を占める…彼に。


「……修兵、さん」
、大好きだよ。おいで」


あたしは、身動きが取れなくなった。
まるで…からめとられるように。


「修兵さん…」
『主!!!!!』


ゆっくりと近づいていってしまうあたし。
いけない、いけない、と心はわかっているのに、足が勝手に動いてしまう。


後一歩で近づく、というところで何とか踏みとどまろうとするが





遅かった





気付いた時には、体中が傷だらけだった。


「ひゃひゃひゃ!いいねぇ、そのからだ。そのままこいつにあえるかねぇ?」
「……消えろ」
「ひ…」


あたしは、体を引きずって頭に突き刺した。

仮面が割れ、そのまま、門が開き、堕ちていった。




あたしは、通信するつもりもなく、ただ声をこぼして、倒れた。


「修兵さ………あたしも…大好き……ごめんなさい」





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