何なんだあのチビ。


感じ的に十一番隊か?
まぁ…あんなふうに傷にも気付かねぇで歩いてるのなんてそうでしかありえねぇんだけど。

『あ、すいません!』
『あぁ、わりぃ、俺も前見てなかった…ってお前なんだその怪我!』
『え…あ、血、出てたんだ』
『出てたんだじゃねぇ!ちゃんと治療しやがれ!小さい傷でも結構怖いんだぞ?』


思わずそんな風に叫んでしまった。
いつもならそんな気持ちにならないのに(直属の部下なら別だが)
顔見知りでもなかった女にそんな気持ちになったのは初めてだった。

十一番隊なら、阿散井にでも聞いてみるか。今日飲み行くっつってたしな。


……何で気になってるんだ?俺。




結局夕方になってもその答えは出ず、阿散井にとりあえず情報だけでも聞いてみるかということに落ち着いた。
いつもの飲み屋に入ると、すでに阿散井が座っていた。


「わりぃ、待たせたな」
「……いえ」
「俺、いつもの」
「へいよー」


いつもの席で、いつもの料理を食う。
変わらない日々って奴だよな。


「あ、そうだ阿散井、結構チビで髪ボサボサの十一番隊っぽい女知ってるか?」
「……………知ってますよ」
「お、ラッキィ、名前教えろよ」


阿散井が珍しくちょっと驚いた顔をしているのが目立った。
…なんか変なこと言ったか俺。


「十一番隊四席草鹿ですよ。うわさ聞いたことありません?」
「…あぁ…あいつが?…へー。」
「その草鹿から伝言です。今日のお礼がしたいから、明日の昼休みに十一番隊近くの楠の傍で待ってますって」


今日のお礼?あれくらいどーってことねーのになぁ。律儀な奴ー。
目の前に出された料理に口をつけながらそんな風に思考をめぐらせていたが
現在の俺の中にあるこの感情が『行くべきだ』と告げていた。


「わかった。昼でいいんだな?」
「はい。って十一番隊の書類の3分の2さばいてるんですよ。その時間が一番暇なんですよねー」
「…へぇ、呼び捨てか」
「い、いや、だって本人からそうよべっていわれてるんすよ!」


なんだかむかっぱらがたったのでちょっとどすの聞いた声でいうと
大慌て、という感じの阿散井が返してくる。


…何でそんな慌ててんだよ。


ん?…っていうか、こういうのって『嫉妬』って奴だよな。


……なんでだ?

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こんな檜佐木です。『遠い日に…』の檜佐木はこんな感じです。