とうとうやってきた初任務の日。
全員、瞬歩で任務場所まで向かっている中、秋都が優歌の隣に走り寄った。
「…優歌隊長ー」
「ん?なぁに?」
「うちの隊長に言っちゃ駄目ですか?あの人いい加減なんか感づいてるらしくて…」
「日番谷くん?…んー………じぃちゃんに聞いてからね」
そう、実をいうと、席官メンバーでこの場に居るのに“命令”がいるのは十番隊だけなのだ。
いつ何時、自分たちの動きが活発になるのかわからない。
他のメンバーが八番隊や、十三番隊や四番隊にいたからよいものの。
そのためだけに、上司に動いてもらうのは忍びない、というのが秋都の心境なのだろう。
「まぁ、そういういつでも出来るお話は後で。そろそろよ。」
「はい」
今、彼らは全員巨虚の巣に向かっている。
十三番隊には、特殊部隊を向かわせる、とおじいちゃんが隊主会で告げたらしい。
もちろんその部隊が何者かは告げては居ないが。
「着くわよ」
「はい、隊長」
目の前にあったのは、気持ち悪いほどの巨虚の塊。
優歌が斬魄刀に手をかけ、全員を見渡した。
「全員、始解を。必要なら各自能力を使ってもかまわないから。…散開」
『はいっ!』
その言葉に全員が離れ、それぞれ円に広がって、周りを囲んで行く。
そして、確実に塊を囲んだところで全員の声が響いた。
「砕け 雷秋」
「光り瞬け 天光」
「滴りおちろ 水帝」
「糸となれ 紬」
「暗闇に光れ 春雷」
「土より出でよ 地錬」
「空舞え 空雅」
「牙をむけ 天狼」
「…天高く舞い 駆けよ 空翔」
始解が終わった者から順に、巨虚に向かっていった。
戦いがはじめてである、藍と春美を除いて。
他の者たちが一匹ずつ確実に導いていく中、二人だけはまだ、踏み出すことができずにいた。
「…藍、春美」
『主…』
「…隊長」
「忘れないで。たとえどんな姿であっても…昔は人であったのだと
…あたしたちが彼らを斬ることで人へと導いてあげられるのだということを」
「はい」」
二人も、またみなの輪に入った。
同時に優歌のそばに現れる人物がいた。
秋都である。
「…秋都、どうしたの?」
「優歌隊長こそ」
「わかってた?」
「…もちろんですよ。参りましょう?」
「……そうね」
そのまま二人は、卑劣なものたちを、送り始めた。
彼らが戦っている後ろから狙ったりしている虚たちを。
「…馬鹿にしているの?」
「まったくです」
少しずつ、数が減っていく。
空に、異変があることに気づいたのは、少し後だった。
空紋…!!!!
「……うそ、でしょ?」
優歌のそのつぶやきに、空を見上げる秋都
『それ』の意味に気づき、叫んだ。
「急げ!!!新手がくる!!!!」
「はい!!」」」
その言葉にすぐに反応したほかのメンバーが、そこにいた巨虚を導いて行く。
巨虚がいなくなるのと、ほぼ同時だった。
空を裂いて、ギリアンが姿を現した。
「…現れたね」
「くそ、予想外だ。どうしますか、隊長。」
「……行くよ」
たった一言、それだけだった。
その言葉だけで全員が、前に向き直った。
熱い。
とてつもなく熱い。
けれどなぜか、全員怖いという感情は持たなかった。
『はい、優歌隊長!』
きっとそれは――。
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これで一応第2章は完結です!
いやー、もうね、ココが一番苦しかった…。
どう表現しよう、どう表現しよう!って悩みに悩んで結局コレに落ち着きました。
これでやっと、次は『夢』らしい『夢』です。
お相手は、設定読んでる人はご存知のとおり
檜佐木さんです