覚悟を決めなきゃいけない。
おじいちゃんに言われていたことを、実行するときが来たってことがわかった。

「まっておったぞ、

…あぁ、時が着たんだなぁ。
そう、自然と思えた。
いつもなら、こういう時居るはずの、左陣さんもお兄ちゃんたちも居なかったから。

「約束じゃったな、
「……うん。零番隊の話だね」
「うむ。」


私は、す、っと腰を下ろして総隊長の隣にひざまずいた。
総隊長の隣には、王族の方がおいでになられていて。


「狛村。…おぬしを零番隊隊長に任命する。」
「………承りました」
「なお、十一番隊四席の兼任も許可しておる、草鹿よ」
「…………はい。…いろいろとありがとうございました」


断ったのは、自分。
だからこそこれだけは、約束どおりはたさなきゃいけなかった。


そして。周りに集まりだした子達に改めて視線を向けた。
あたしと同じ、力を隠し切ることが出来、周りをなぞっている子。
す、っとあたしに跪いた少年に見覚えがあった。
あの時、居た子だ。

「あなたは…」
「改めて自己紹介します。狛村隊長。本日より零番隊副隊長となる坂内秋都と申します。十番隊三席を兼任しております」
「そっか。やっぱり。おとといの任務で…驚いてなかったよね」
「…総隊長より、お聞きしておりましたから。いずれおぬしらをまとめるものじゃ、と」

立ち上がった彼が、右手を出してきた。
一瞬いみがわからなかったけれど、彼の笑顔に、意味がわかった。
改めて、その手を受け入れて握手をする。


「隊長。俺たちの隊舎はどこにしましょう?実は決まってないんですけど」
「…んー。心当たり一個だけあるけどなぁ」
「大丈夫なんですか?」
「……おじいちゃん。あの家、まだ買い手付いてないよね?」
「…結界はおぬしがはれよ」
「はーい!じゃあ、他の子達の自己紹介はそこで聞くことにしよう。付いてきてね。」

そういってあたしが、瞬歩で動き始めると、みんなしっかり付いてきてる。
おお、さすがおじいちゃんが認めた子達だねー。
たどり着いた先は、十三番隊隊主室より、少し奥地にある、ちょっとしたボロ屋。

「ここですか?」
「うん。あー…思ったより寂れちゃってるなー。最初のお仕事は改修かもしれない」
「…面白いですよねそれも」

改めて全員で中に入ると、外に比べて、中はしっかりしている。
これなら逆に外はあのままの方がいいかもしれないなぁ、と思った
ごまかしが聞くもんね。

「隊長。これなら…」
「うん。外部は内部に影響が無い程度までぼろぼろのままにしましょう。一応…零番隊は秘密裏らしいから」

そういって、あたしは埃を払ってから、全員に座るように促した。
その方が視線が合いやすいだろう。

「…改めて、自己紹介しましょう。顔見知りで無い方が多いしね。
私は狛村。先日、おじいちゃん…総隊長にかなえてもらった我侭どおり、霊術院を卒業し草鹿として、十一番隊に入隊。
現在は四席を勤めています。そして、今日から、この零番隊をしきることになりました。どうぞよろしく。」
『はい!』

全員に笑顔がともる。
ここが、暖かい場所になるように、努力しよう。
向かいに座っている、坂内を見て微笑む。

「改めて自己紹介してくれる?ついでに特技を一個。面白いのがいいな
ちなみにあたしの特技は日曜大工ね」

そんなことを言うと、全員が爆笑した。
笑い涙を擦りながら立ち上がった銀髪に赤目の少年。
なんだか…笑顔が春水お兄ちゃんを彷彿とする子だなぁ。

「さっすがぼくらの隊長!俺も実は何人か知らない子が居るのでちょうどいいですね
本日より副隊長を勤めます、坂内秋都と申します。十番隊三席も兼任しております。
特技は、読唇術です」
「ぶっ!確かに面白いかも。じゃあ、次は三席さんかな?」

秋都君が座ると同時に立ち上がったのは、少し背の高い、黒髪の女の子。
どちらかといえば男の子に見えるような髪型と、藍色の瞳。

「副官補佐・三席を勤めます、天駆奈菜といいます。四番隊十席も兼任しています。
特技はそうだなぁ……人が隠している怪我を見抜くこと、でもいいですか?」
「じゃあ、このメンバーがもし隠していたら絶対に教えてね。あたしそういうの苦手だから…一発拳骨のあと治そう!」
「はい!」

笑顔で頷く彼女を見て、あたしも笑顔を返した。
全員を見渡して、次の子を探す。

「次はー…」
「僕です。」

立ち上がったのは、黒と青の中間の髪を、後ろにまとめている男の子。
いい感じの気配持ってるなぁ。眼の色はあれは…蒼ね。

「前崎藍といいます。僕はどこにも所属していませんでした。
でも、今日からここの四席です!よろしくお願いします!
特技は人の顔を一度見たら覚えることです!」
「そう、じゃあ、常駐できるね。もちろんみんなでなるべく1日1回はそろえるようにしましょうね
…任務の時は除くけど。だからって仕事はサボりすぎないように!」
「……はい!」」

次に立ち上がった子は黒髪黒目の男の子。あたしに背丈同じくらいかな。ちっちゃい子。

「五席に就任しました、臣 深弥といいます。七番隊の平隊員やってます。
…お父上の何人かと一緒に、あのお姿をみました。
他の奴らが飛び上がって逃げるのを見て…ぶんなぐってしまった過去があります。」
「そう……。左陣さんは、どうせ、かまわぬ、とかいったんでしょ?」
「……よく、おわかりですね」
「そりゃ家族やってるもの。あたりまえ。あの人が早く、受け入れられたらいいな」
「はい!特技は…そうだなぁ…んー…かくれんぼで!平隊員のなかでみつかったことないです!」
「でもそれはあたしたちには通用しないかもね」
「隊長!それはいわないでくださいよー!」

その言葉に改めて全員が爆笑する。
実力が均衡しているほかの子たちには関係ないものね。
深弥くんが座りなおすと同時に立ち上がったのは、どこか、秋都君に似ている子。

「…六席の坂内春美といいます。副隊長に就任した、秋都の妹です。
あたしもどこの隊にも所属していませんでした。
特技は、お兄ちゃんが隠しているお菓子をことごとく見つけ出すことです」
「てめっ!」
「ふふふ!じゃあ、藍くんと同じく、常駐メンバーに決定ね。」
「はい。よろしくお願いします!隊長」
「こちらこそ。春美ちゃんかなー、春ちゃんかな、どっちがいい?」
「隊長のお好きな方で」
「ふふ。じゃあ春ちゃんに決定!言い忘れたけどあたし、みんなを名前で呼びます。
お仕事が来た場合はちゃんと呼ぶけど。あたしのこともなるべく、名前で呼んで欲しいな。
隊長ってつけてもいいけど、名前呼びは厳命ね!」
『はい!』

よし。これだけはきちんと守りたいと思ってたんだー。
改めて春ちゃんがすわったのをみてから、次の子を促す

「七席勤めます、藤堂大地といいます。俺は更木隊の平隊員です。
隊長の腕試し見てました。総隊長に良く見ておけ、って言われてたので。
俺の特技は甘いものつくりです。いろんな国の甘いものつくれます!」

あたしは、残り少なくなってきた自己紹介待ちの子を見る。
次に立ち上がったのは、腰近くまで黒髪を伸ばしている、女性。


「田中羽美といいます。
十三番隊四席を勤めています。
特技は…自分よりおっきい人を抱き上げて運ぶことです」
「……それは…」


大体予想がついてきた。
どっかの誰かのせいだよね、それって。
あたしの思っている事に気づいたのか苦笑気味に口を開く彼女。
「…うちの隊長のせいですよ」
「相変わらず体弱いんだからー…。十四郎兄さんは」
「お知り合いなのですか?隊長」
「うん。実はあたしの先生なの。あたしが小さなころからの。あ、今が小さいって言うのは言いっこなしね」

笑い声のあと、ふと気になったのか、深弥があたしを見て真剣に言ってくる。
「この世界って成長遅いんですか?」
「あー、それは個人差らしいよ?ちなみに、どっかの隊長さんにそれをいっちゃだめよー」
「…それって間違いなくうちの隊長のことですよね、隊長」
「うん。それでもあたしよりは背がでかい。」
「…そういえばそうでしたね」
「さて、次は、誰?」

楽しげなあたしに、他のみんなも笑顔で次の子を促す。
立ち上がってくれたのは、何気にこの中で一番背が高いであろう、男の子。
赤に近い茶色の髪の、灰色の目の男の子。

「俺ですね。九席の柚木牙狼です。八番隊で平やってます。
特技はそうだなぁ…地下水道を迷わずに動けること」
「え゛、あそこを!?」
「一回迷ったことがあって、悔しくって全部覚えました」
「記憶力自信あるのねー」
「今までほかで迷ったこと無かったのに、迷ったのが悔しかっただけっすよ。」
「今度是非案内して」
「はーい。ちょうどいいから、ここまでの道に印つけましょうよ。俺たちが使えるように。
この傍に一個道があるんで」
「いいわねー」
「確かに。じゃあ、自己紹介はこれでおわりですね。」
「じゃあ、改めて、零番隊これにて発足します!よろしくお願いします!」
『よろしくお願いします!』

全員で一斉に立ち上がって、お互いに礼をする。これから仲良く出来たらいいなー。
秋都くんが、そっと胸に触れながらあたしのほうに向いた。

隊長。実は僕たちは制御をさせていただいておりません。花を決めておらぬからと。」
「…あたしに決めろ、ってことね。」
「はい。」

ここに集まった九人。
みながみな、苦労してきたのだとわかった。
所属していなかった子にはしていなかった子なりの。
していた子にはしていた子なりの。

「じゃあ、この花にしましょう。」

あたしは、自分の胸元をそ、っと見せた。
全員が自分の胸に手を当てる。

「この花は緋衣草。『家族愛』の意味を持ちます。
この全員が『天命』を全うするまで過ごせるように、みんなお互いを大切にしてください」
『はい』

全員がいっせいに緋衣草を胸に印としてつける。
あたしだけの印は、零番隊の証になるんだね。
…なんだか、変な感じだ。
つけ終わったのを見計らって、全員を見渡して腰を下ろした。

「どうせだから宴会したいわよね。でも今日はまだ本来仕事中だし…」
「あ、やべ!俺抜けてきたんですよ!」
「じゃあえっと…春ちゃん、藍くんは宴会の準備ね。
初任務ってことでよろしく!あたしが買出しとここのある程度の修理はするから。」
「了解しました、隊長。俺らは各自の隊に戻って、定時以降に戻ってきますね」
「そういうことで。では、解散。」


もう一つの隊を持つ全員はとりあえず瞬歩で脱出していった。
残った二人に視線を向ける。


「じゃあ、準備始めよっか」
「はい!」





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やっと出来た…。
タイトルのとおりに持っていけましたねー。
零番隊結成の理由『約束』については、後ほど拍手にUPして置きますv

そして、3人の番外編も一緒にUPしますよー! <秋都、羽美、奈菜>




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