一角さんに誘われて、恋次さんと弓親さんの四人で
勝ち抜き戦をすることになったのだ。
もちろん、結界の張られた修練場で。
ちなみに斬魄刀はまぁ、一応全員持ってるけど(一応ってなんだ、一応って!)
「誰からなんですかー?」
「お前初参加だから、俺ら3人の一番と対決」
「え゛っ」
「…いい加減隠すのやめろ。お前、俺より強いだろ」
一角さんにきっぱり、といわれ、あたしはぐっと黙ってしまった。
そう…あの時気付いていた。
卍解さえしていれば、もっと戦いは変わっていたことに。
「やってみないとわからないと思いますけど」
「…たく。よっしゃ、じゃんけんするぞ、じゃんけん!」
そんな会話が3人で交わされ、全員でのバトルが始まった。
最初は、弓親さん対斑目さん。
壮絶なバトルが行われている。
『楽しそうだな』
「うん。みんな強いし…なにより、楽しいよ」
『俺も、久しぶりに本気で戦いたいなー…?』
「…空翔ったら」
恋次さんは二人の戦いを真剣に眺めていて、あたしたちの会話に気付いていない。
この様子なら、一角さんの勝利だろう。
数分後、予想通りの結果になって、恋次さんが調子バリバリの一角さんに呼ばれていった。
ちょっとよろよろ気味の弓親さんが、変わりに隣に戻ってくる。
「あー…限界」
「お疲れ様です、弓親さん」
「相変わらず強いよ、一角は」
「仲良いですね。」
「昔からの付き合いだからね」
その後の一瞬の表情で、あたしは気付いた。
…あぁ、そっか。兄さんたちと一緒なんだ。
お互いが、すごく大切なんだね。
二人の真剣な戦いを眺めながら、あたしはゆっくりと霊圧を高めていた。
…失礼だものね、本気でやらないと。
「……くん。君その霊圧は…」
「え?」
「…なんだか納得するよ。隊長の傍で普通にしていられる君が。
下級席官たちは、何で僕らとさほど変わらないのに、って良くこぼしていたけど…
君は、霊圧の制御がとても上手いんだね」
弓親さんが、体をしっかりと落ち着かせながらあたしのほうに笑みを向けていた。
ふと、昔のお兄ちゃんたちの言葉を思い出した。
『の霊圧は、とても強い。でも…とても暖かいから、人は傷付けない。』
あの言葉は、あたしにそうあってほしい、って言う願いだったのかな。
「もう、そろそろ終わるよ。」
「…そうですね。」
恋次さんが、倒れた。
あたしは、高めた霊圧のまま、彼に近づいて行く。
「……お願いします」
弓親さんに恋次さんを任せて、あたしは一角さんのほうに視線を向けた。
意欲がとてもあがっている、というのがわかる雰囲気。
「斬魄刀、使えよ」
「…ぐちられましたから、使いますよ」
「そうこねえとなぁ…」
すでに始解をしている彼にあたしは、空翔を抜いた。
ゆっくりと息を整えて、言霊を述べる。
「天高く舞い 駆けよ 空翔」
緋色の剣が、輝いた。
「ちっくしょー!!」
「…つぇえのなぁ…お前」
「他の人たちには内緒でお願いします!」
そう。一角さんをあたしは、わずか数分で倒してしまったのだ。
もちろん、疲れていた、という部分はあるだろうがそれでも少し早すぎた。
そんな風にあたしが頭を下げていると、空翔が隣に現れた。
『、本気でやれば良いってもんじゃないぞ』
「うう…わかってるけどぉ…つい、楽しくて」
『さて、お詫びです、斑目殿』
「んぁ?」
「緋羽舞い 飛翔する 空の12 緋翔(ひしょう)」
全員の上を火の鳥が舞い、羽が体に触れると同時に、3人から疲労感や傷を奪って行く。
あたしは、羽を眺め続けていた。
ほんの数分後、火の鳥が消えると同時に、あたしは剣をしまった。
「…これは」
「あたしは、空言(そらこと)って呼んでます。」
「お前、すげぇよなぁ…。」
恋次さんが、手をにぎにぎしたりして、自分の体を確かめたりしながら呟く。
「お前…なんで、そんなに強いんだ?」
「…あー………」
「小さな頃から霊圧がすごかったんだよ、は」
「…きょ、京楽隊長!!!」」」
まったく…近寄るな、っていったのに。
今度やったら春水先生って呼んでやる。
いつもの格好をして、あたしたち4人のほうに近づいてくる。
「いいじゃないか、話しても。いずれはなすことだろう?」
「………お兄ちゃんのバカ」
「が冷たい…。」
「あ、あのぉ…。」
恋次さんが、苦笑気味に口を挟む。
もう…、お兄ちゃんのバカ!!!!!!!!
あたしは、ため息を一つついて、改めて3人に向き直った。
「……あたしの本当の名前は、狛村。狛村。七番隊隊長狛村左陣の養女」
「はぁ!?」
「草鹿で生まれて、小さな頃に両親が殺されたときに、左陣さんに拾われたの」
ぽかぁん、という表情であたしの言葉を聞いていた三人に、春水兄さんが言葉を継ぐ
「で、ボクたちと出会ったわけ。ちなみに、これでも君たちより年上だからね?」
「えっ、そうだったの!?」
「何で君が驚くの、。ボクと浮竹と狛村の隊長の就任式の日にお祝いしてくれたじゃないか」
「…た、確かにお祝いしたけど!」
その言葉に恋次さんがびしぃっ!となる。一角さんもさすがに固まってるし
弓親さんはすでにどこか悟ったような雰囲気だ。
「それはかなり前の話なんだけど」
「……うう」
「君の成長はとてつもなく遅い。仕方ないのかもしれないけどね」
「どういうことです、京楽隊長」
おにいちゃんの言葉に、なんとかたちなおったらしい弓親さんが口を挟む。
ほかの二人はまだひきつったままである。
「の霊力は狛村はもちろん、ボクと浮竹と山じいが苦労するほどのものなんだ。
抱えている霊力のせい、ということかな。
そのせいもあって隔離された生活を余儀なくされてたんだ。
霊術院入学前までのを知ってるのは…
そうだなぁ…烈ちゃんと東仙くんくらいかなぁ。ボクと浮竹と山じいと狛村をのけたら。
それも、霊圧制御が出来るようになってからだし。烈ちゃんはともかく、東仙くんはそのことまでは知らないし」
「…だから、草鹿で入隊しても騒ぎが起こらなかったんですね」
「うん、しかもボクら知らなかったし。まぁ…絶対に反対したけど。
それがわかってたから、ボクたちには内緒にしてたんだろう?」
うう。図星。
だって…あたしが霊術院のことを知ったのは、今から12年前のことだもん。
左陣さんの説得だけで2年かかったんだい。
もちろん、内緒で頑張ったよ。
観念するしかないあたしは、ゆっくりと頷いた。
「まぁ、今となってはそれも…だね。いい友達も増えたようだし。
これからものこと、よろしくね。3人とも」
「…え、あぁ…はい。」
「ホントはボクがこうやって話すことも、に止められてたんだ。
狛村のことは、よっぽどでない限りはなすつもりも無かっただろうし。
いろいろ、狛村も言われるだろうからね。このことを知ってるのも、さっきの人たちくらいだ。」
「…他言無用、ってことですね。」
「そういうこと。あ、そうそう。。これから浮竹のところに行くんだけど、も行かないかい?」
「いかなーい。お邪魔虫したくないもんっ!」
きっぱり、と、お返し、という気持ちもこめて言い返してやった。
さすがのお兄ちゃんも一瞬口を開いて固まっている。
「…あの噂マジだったんですか」
「あー…やっぱり噂になってる?」
一瞬の間のあと口を開いた恋次さんに、頬をぽりぽりかきながら飄々と答える兄さん。
「二人が結婚しないのは、付き合ってるからだ、って」
「…まぁ、事実なんだけど……。、お返しにしてはちょっとずるくないかい?」
「べぇ。だ」
だってお返しだもん。
別に隠しても居ないんだから良いでしょ!
ふんだっ!
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浮竹と京楽がちゃんをとっても大事にしているのは
自分たちに子供が出来ないのがわかってるから何だってことにしたいわけです。