十番隊隊主室
俺はさっさと隊主室に戻った。ここにいるうちの一人は俺のことを知ってるから。
もちろん、俺が入ってきたのだということもしっかり見抜いてくれる。
俺の同期で、ダチの冬獅郎。うちの隊長だ。
「…秋都か」
「ただいま、冬獅郎。ちょっと野暮用でさ、遅くなってごめん」
「さっさと書類しろ、まだまだあるんだ」
「はーい。あれ、乱菊さんは…」
冬獅郎の眉間のしわがさらに深くなる。
あぁああああ。
「………」
「ごめん、愚問だった」
こんないい天気の暖かい日に、あの人が寝てないわけ無いよな
どうしよ。でも秘密なんだよな。
あんまり内緒ごとしたくないけど…まぁ、仕方ないか。
「……楽しそうだな、秋都」
「え…?」
「いつものお前の雰囲気とは違う。ついこないだにも一度、そんな顔を見たきがすっけどな。」
「……そっか?」
「ああ」
やっぱ見抜かれてるんだな。
まぁ、俺もけっきょく隠す気持ちないしなぁ。
「…すごくいいことがあったんだ。だからかな」
「…そうか」
でも、言えないこともわかってくれるもんなー。
さすが俺の親友。
そのまま俺は、自分の席につき、定時にしっかり上がれるように、書類処理を始めた。
十三番隊。
雨乾堂に入り、彼の部屋をノックし、入る。
「失礼いたします、浮竹隊長」
「あぁ、田中か」
「お薬をお持ちしました。きちんとお飲みくださいね」
「……わかった」
相変わらずですね、浮竹隊長。
…今度飲まなかったらこっそり、隊長にいいつけようかな。
そしたら絶対飲んでくれそう。っていうかのませてくれそうだなぁ。
そんな風に考えていたら浮竹隊長が私のほうをじーっとみてきた。
「…なにかあったのかい、田中」
「え…?」
「いつものお前とは、少し違う。なんだか、すごくいいことがあった、っていう顔だ」
「…そうですね。とてもいいことがありました」
にっこり、と微笑んだあたしに、詳しくはいえないこと。
まだいってはいけないことをわかってくれたのだろう。
ぽんぽん、とあたしの髪をなでてくれた。
四番隊。
けが人は今現在おらず、いつもどおりの業務が滞りなく進んでいる。
戻ってきてから仕上げた書類を、隊長に届けに行く。
「失礼いたします、隊長」
「はい、どうぞ」
中に入ると、書類に手をつけている隊長と、副隊長が居らっしゃった。
あたしは書類をテーブルに置いて、様子を眺めた。
「…お茶、おいれいたしましょうか?」
「ありがとう、天駆さん。お願いします」
「はい!」
給湯室に行きお茶を入れて隊主室に戻る。
隊長と、勇音副隊長の分をそれぞれの机に置いた。
「どうぞ、隊長」
「ありがとうございます。天駆さん。勇音も少し休憩いたしましょうか」
「…あ、はい」
「天駆さん。何かいいことでもあったのですか?」
「……え?」
「とても、楽しそうな顔をなさっているから」
ありゃ、顔に出てたんだー。
確かにすっごくうれしいことが一つあったけど。
…でも、秘密裏だって隊長言ってたしなぁ。
「…とてもいいことがあったんです。」
「それは、よかったですね」
「はい」
これだけでも、許されるよね。
大事な約束は守らなきゃ。
時を同じくして、それぞれの上司に言われた言葉に返すとき
全員が全員そっと緋衣草の印の付いた胸に触れていた。
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拍手ありがとうございました。
オリキャラさんである、秋都、羽美、奈菜の2章3話と4話の間のお話でした。
どうぞこれからもごひいきにっ!