「閑話休題 =しってるひととしらないひと=」


あたしはまず、十番隊に向かった。お隣だからねー。


「失礼します」
「あ、ちゃんー。どうしたの?」
「うちの書類持ってきました。」
「ご苦労様、そっちは?」
「他のところに持って行く奴ですよ」
「そっかー。お茶しないかなぁ、って思ったのに…………ったあい!」
「てめぇ、さっき居眠りしたのにまだ休憩したいのか」

乱菊さんの頭を上から書類で思いっきりたたいて
眉間にしわを寄せた十番隊隊長さん。
あたしは、くすくす笑いをこぼしながら口を開いた。

「居眠りは駄目ですよー、乱菊さん。それじゃあ」
「つれないわねぇ…」

失礼しました、と隊舎を出ると、そのまま四番隊に向かった。
実を言うと……四番隊隊長さんには発見されたくないんだけどな。
…見つかりませんように!


「えと…、すいません、書類を…」
「あら、珍しいお客様ですねぇ」


………やっぱりそううまくいかないか。

目の前に居たのは、四番隊隊長、卯の花烈さま。

…実を言うと、お母さんです。
お母さんみたいな人です。


「いつのまに十三隊に入隊なさってたんです?さん」
「…ええっと、今年です…けど」
「そんなにかしこまらなくても、誰も居ませんよ」

そうはいかないって、あたし四席なんだから!
普通の死神が隊長に普通に話してたらおかしいでしょうがっ!

「ふふ、冗談ですよ。京楽隊長と浮竹隊長が二人そろって愚痴っておられましたから知ってましたよ
十一番隊四席、草鹿さん」
「……意地悪」
「あら、あなたも良くご存知でしょう?」

えぇ、嫌って言うほどに。

「書類ですか?ご苦労様」
「はい。いつもうちの隊がお世話になってるそうで」
「そうですね…。怪我をされたらなるべく早く来ていただいたほうが後々楽なのですが…」
「まぁ、なるべく行かせる様にしますよ。戦いバカばっかりなんで、そう上手くはいかないですけど」

苦笑交じりのあたしに、ぽむ、と頭を撫でてくれる。
相変わらず、烈さんの手ってあったかいよねぇ。

さんの力のこと、お聞きしましたよ」
「…あー……」
「わかっています。でも…大事の時はお手伝いくださいね?」
「もちろん!そんなことがないほうがいいけど、ね」
「そのとおりですね…あら、どうしました?勇音」

…副隊長、さんかな?

「い、いえ…その…」

あたしと烈さんの関係が気になったのかな?
まぁ、普通こんなに仲のいいやついないと思うよねぇ

「……十一番隊四席、草鹿と申します」
「勧誘をしていたのですよ。回復系の術を扱われると聞いたので。ですが断られてしまいました」
「…そうでしたか」
「書類、確かに受け取りました。まだあるようですね」
「ちょっとたまってたので……また、お茶しに来ますね?……烈さん」
「ふふ、そう呼ばれるのは6年ぶりですね、

え、え?!という副隊長さん。

「もう、かえってきましたから。…ここで父の名を名乗ることは、まだ無いと思いますが」
「そうですか…、総隊長は?」
「説得したんです、でなければ…今草鹿をなのることは、できていないですよ」
「そうでしたね」
「失礼いたします」

四番隊をでて、あたしは五番隊に向かった。

「…失礼いたします」
「えっと…?」
「十番隊四席に先日就任いたしました、草鹿と申します」
「初めまして、五番隊三席を務めてます、雛森桃といいます。よろしくね」


もう一つの霊圧にも既に気付いてたけど…お互いになんだかスルーしたい感じ。
っていうか、すごい不機嫌、だよね、日番谷君。
でも霊圧はすごい落ち着いてるなぁ?


「じゃあ、俺は四番隊に用があるから」
「うん、またねー。日番谷くん」


ふふ、なるほど、幼馴染なのかなぁ?
あたしが思わずくすくす笑ってしまうと、不機嫌そうな隊長が横を通り過ぎていった。


「幼馴染か、なにかですか?」
「うん、流魂街で家族だったから」
「…そういうことでしたか」


通りで霊圧がおちついてるなぁ、と思った。
あたしは、書類を雛森三席に預けて、五番隊を出て行った。


あとは、六番隊から九番隊まで回るだけ。

七、八、九は…むしろ行きたくない行きたくないいきた…(エンドレス)


「…失礼いたします」
「ん?誰だ?」
「十一番隊四席に就任した、草鹿です」
「…ああ、斑目さんが言ってたな…。俺、元十一番隊なんだよ、阿散井恋次ってんだ。よろしく。」
「おききしてます、斑目さんから。」
「…それうちの書類か?」
「はい。よろしくお願いします」
「おう。あ、斑目さんに、また行きますって伝えといてくれねぇ?」

あぁ、なるほどー。師弟関係なのかな?
うん、そんな感じ。
雰囲気があったかいもん。

出来るならいきたくないけど、仕方ない。
意を決して七番隊に入った

「失礼いたします」
「はい?」

お、らっきぃ。席官さんだ。
お名前は知らないけどなぁ…。

「十一番隊四席草鹿です、書類を届けに参りました」
「はい、確かに。ご苦労様です、草鹿四席」

よし、よかった、射場さんにもあわないですんだぁ…。
って言うかこのかっこでもばれそうで怖い怖い。
よし、のこるは八番隊と九番隊……先に九番隊行こう。


九番隊に書類を出した後、あたしは改めて八番隊のまえに立っていた。
……うう。


しっかり春水お兄ちゃんの気配が中でしてるんですけど!!

逃げたいなぁ。

でも、書類は渡さないといけないし。


決心をつけて、八番隊に入る。
人も少ないし…大丈夫だよね。


「失礼します」
「はい、何の御用でしょう?」
「お初にお目にかかります、副隊長。十一番隊四席、草鹿です、書類を届けに参りました」
「ご苦労様です。私は、八番隊副隊長の伊勢七緒といいます。よろしくお願いします」


しっかりと書類を渡して、挨拶を終えたあたしは、さっさと逃げよう。といわんばかりに立ち去ろうとしたのだけど
玄関口でしっかりと待ち伏せているお兄ちゃんがいた


「つれないよー、ー。ボクには挨拶も無しかい?」
「……まことに申し訳ないんですが、まだ仕事が残ってるんですよ、京楽隊長!」
「…………ちぇぇ。」
「あんまり副隊長さんを困らせたら駄目ですよ、お兄ちゃん」


ぼそ、っと呟いてからあたしは、八番隊を出た。
…あぁ、結局こうなるのか。
ちくしょー。

お兄ちゃんの本命さんが誰か知ってるあたしとしては、あの軽薄さはどーにかなんないもんかなぁっていっつも思ってるんだけど…。


ひらひら〜と手を振って見送る僕。
っていうかいつ僕が困らせてるの聞いたんだろ。

「……京楽隊長、草鹿四席とお知り合いで」
「うん、彼女の霊術院入学前まではボク彼女の教育官の一人だったから」

ふふ、七緒ちゃんったらそんなにびっくりした顔しなくても
しかも冗談だと思ってるねぇ…

「……………本気でおっしゃってます?」
「だって彼女、普通に隊長格の霊圧もってるんだもの。
山じいも結構苦労したみたい。ボクと浮竹を教育官にしちゃうんだもんねぇ。」


そのことばに、七緒ちゃんがしっかりと固まる。


「…いつからなんですか?」
「うーんと…ボクがまだ一番隊三席のころからかな。
わがままがなければ、すべてすっとばして一番隊入隊だったろうねぇ」
「…わがままですか」
「うん。わがまま。ボクも知らなかったんだよ。彼女の十一番隊入隊が決まるまで」

楽しげに話すボクに、まったく嘘が無いのもわかってるのだろう。
彼女が渡していった書類を仕分けながら耳を傾けてる。

「山じいとのけんかが一番危険だったなぁ…。」

あの時はホント苦労したよ…狛村とボクと浮竹で必死になって止めたもの。

入学前からホントは始解も出来てたけど、隠してたんだね、は。

まぁ、そのほうがいいだろうね。草鹿って名前で入学したんだから。


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