傍に居ると、何故だか安心するの。
無口で多くは語らないけれど、何故だがほっとするの。
だから私は、貴方のさり気ない優しさが好き。
『隠れた優しさ』
空座第一高等学校1−3教室 放課後
そろそろ太陽が沈み始め、青空だった空が次第にオレンジ色に染められていく。
彼女はそんな空を、教室の窓からぼんやりと眺め、昔の事を思い出しながらクスクスと1
人、肩で静かに笑う。
「…何してんだ?帰るぞ」
「……ムッ…」
「一護!チャド!!」
一護とチャドと彼女は、中学からの悪友みたいなもので、その頃からの腐れ縁らしく、ク
ラスも一緒。帰りも3人一緒に帰る時が殆どだ。
茶渡はさり気なく彼女の鞄を持ち、彼女の左側に立つ。
一護は、そんな2人を眉間に皺を寄せ見つめ、彼女に言葉をかける。
「…なぁ、そういやさっき、何1人で笑ってたんだ?」
「えっ?…あぁ、昔の事思い出してたの」
「昔の事?」
「そっ!昔の事…一護とチャドとの出会い。あれからもう、2年が経つんだなぁって…」
「…ムッ…」
品行方正で成績優秀な彼女が、どうして一護達と親しいのか周りの人や先生達は不思議がる。
それは同然なのだが、彼女と一護達の出会いは、ベタな出会いだった。
一護達が中学2年の時、彼女の存在を疎んでいた不良と呼ばれる女子生徒達に絡まれて居
た時、たまたま通りかかった一護と茶渡に助けられたのが切っ掛けだった。
それからというもの、一護と茶渡は彼女と親しくなり、行動を共にしてきている。
「それにしても…あの時は本当に助かったわ」
「…たまたま通りかかっただけだって。なぁ、チャド」
「…ムッ…」
「でもよ…あれからお前、先生達に呼ばれ捲くってたけど、大丈夫だったのか?」
「あぁ……あれね。何かさ、一護達とつるむようになってから、先生達が必死になってた」
「……だろうな。何となく想像は付いてたけど…」
「でも…みんな、偏見持ち過ぎよ!」
「「………」」
「…でも実は最初、一護とチャドの噂聞いてて、ちょっと怖かったんだけどね」
そういうと彼女は、舌をちょこっと出して方を竦めた。
茶渡はそんな彼女に手を差し出し、彼女は顔を少し赤らめ茶渡の手を取り手を繋いだ。
彼女の左側に茶渡、右側に一護と彼女を挟むように3人は教室を出て、帰路につく。
「だって…噂ほど、一護もチャドも怖い人じゃないもの」
「まぁ、あん時から変な噂、多かったからな……特に俺なんか、髪のことで先生達に目付
けられてたしな」
「………」
「そうね。でも私…一護の髪…好きよ。綺麗だし……」
「なっ!…お前っ、そんなこと言っていいのかよっ!」
一護は顔を赤らめ慌てて言うと、彼女は茶渡に視線を送ると言葉を返す。
「ふふ…大丈夫よ。チャドは…ねっ!」
「…ムッ…心配ない……」
「あぁ、そうですか!……じゃ、俺こっちだから…」
「…あぁ」
「うん、また明日ねっ!」
「あぁ、また明日なっ!」
3人が家路に向かう途中分岐があり、一護は彼女と茶渡に手を振ると、双方の行く方へ歩
む。
一護と分かれた後、彼女と茶渡は歩みを続けるが、ふと彼女が立ち止まった。
「……どうした?」
「ねぇ、チャド……」
「…ムッ…」
彼女は少し俯いていたが、茶渡に顔を向けると身体の向きを変え、茶渡に抱きついた。
「私…一護に……チャドに出会えて、本当に良かった!好きよ…大好きっ!!」
「……」
茶渡は優しく彼女の頭を撫でると、彼女の身体をまるでガラス細工を扱うかのように、
優しく包み込むように抱きしめる。
そんな甘えてくる彼女を、愛しむように見下ろし頭を撫でながら、茶渡は「…俺も……好
きだ」と言葉を紡ぐ。
そして茶渡は、優しく抱きしめていた手を解くと、彼女の視線に合わせるように屈み、
彼女と視線を絡ませる。
彼女は茶渡の首に手を絡ませると、茶渡の唇に自信の唇を重ね合わせる。
2人は、口付けを名残惜しそうに離すと、彼女は茶渡を見つめ囁くように呟く。
「チャド…これからも…ずっと、傍にいさせて……ずっとずっと、チャドを好きでいさせ
てね……」
「……もちろんだ。俺も…ずっとお前と傍に居たい……」
2人はお互い視線を合わせると、お互いのおでこをコツンと合わせ、彼女は微かに微笑む。
そんな2人を、オレンジ色の夕日が包む。
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だまちゃんからいただきました!!
チャド夢です!!!