あなたがいなくなったのがわかった。





戦いが始まったんだ、と告げられた。




あの人は、正義のためなら、とよくこぼしていた。



私自身もそれに賛成だった。



私の目は、傷つけられ見えなくなったものだったから。



先日、要が四番隊隊長様に依頼してくれた。
彼女なら君の目を治せるかもしれない、と。


そして、治ることが、わかった。




= B. B. B. 〜ブレイキング ブラック ブルー〜 =






私の治療は戦いが始まる直前に行われた。
目を開けるようになれるのはこれから約1ヵ月後だという。


「早く、要の姿が見たいわ」
「…そうだね。君が見る僕はどんなものなのかとても気になるし、僕に君の瞳で見たいろいろなことを、教えてくれると嬉しい」
「えぇ。いっぱい話しましょう。」



でも、その約束は破られた。



要は盲目的に信頼していた、藍染様とともに、この世界の敵に回ったことを
目を開けられると決まった日に卯ノ花様から聞かされることになった。

いなくなったことを知っていた私はなぜか、ストン、とその事実を受け止めてしまった。


「……驚かないのですね」
「いなくなったであろう日、要の気配がこの世界のどこからもなくなったので…」
「………そう、ですか」
「…私は、要を止めに行ってもいいのでしょうか」
「……………」
「変な質問でしたね、卯ノ花様。いいえ……烈」
「…


久しぶりに口から出した彼女の名。
きっと、とても驚いているのでしょうね。
あなたの昔の顔が目に浮かぶわ。


「私が、昔死神であったことを捨てたことを。…要も誰も、その事実を知らないのよね」
「………えぇ。誰も」
「総隊長様は、私の目が治ると同時に、私の霊力の封印も解いてくださるとおっしゃったわ。
要のそばに立てると、喜んだ。……でも、私は…あの人を止めるために、剣を振るうのね」
「………」
「烈には感謝しているわ。そして、とても成長したのだと、嬉しい。」


あのころの烈ちゃんは私の目を治せないことを、ひどく苦しんでいたから。
だから、久しぶりに会うことになったときに、喜んでいたのも気配でわかった。


要は、わかっていなかったけれど。



「…烈、これからもこの世界のために私は生きるわ。誰のものにもならない、この世界のために」
「それでこそですね。明日、そのガーゼをはずすときに、総隊長たちが立会いされます。
…あの時の最後の隊主試験の結果も、そのときに告げてくださるそうですよ」
「…私は、要の隊を引き継ぐのかしら」
「まだそこまでは…。でも、おそらく」

その後は、烈と昔話に花を咲かせた。
同じく霊力を高めることに二人で必死になっていたころのこと。
烈より先に隊主試験を受けることになったこと。
そして、隊主試験の前日の、戦いの後のこと。





翌日


私は久しぶりに、日の光を、見た。
そして、髪の伸びた烈と、まったくお変わりのない先生が目の前にいらっしゃった。

あぁ、目が戻った。

ゆっくりと、先生へ頭をたれる

「……お久しぶりです、山本先生」
「おぬしがそう呼ぶのは、久しぶりじゃの。よ。」
「あの日から、一度もお呼びしておりませぬから。もう、三桁のときが流れておりますわ」
「そんなにたつのじゃな…。あの日の結果は、合格であった。
開放を行ったが、霊力はまったく落ちておらぬの。…九番隊隊長を継ぐか」


先生のあの、とても細い瞳。
昔はとても怖かった瞳がなぜか、怖く感じなくなっていた。
私は、少しの間の後、しっかりと目線を合わせて答える


「…九番隊の皆様が、受け入れてくださるのであればお引き受けいたします。
要の『正義』を引き継ぐものたちを、…要のようにさせぬために。」
「よろしい。就任式は後日行おう。今日は久しぶりのこの世界をゆっくりと堪能するとよい」
「ありがとうございます、先生」



私はまず、要の友であった彼女の墓へと、向かった。


先客が、二人居た。


私は、腕につけている九番隊の副隊長章でどなたかわかった。
お会いしたことがあるのは、狛村隊長様だけだったのだけど。


「……檜佐木副隊長様、狛村隊長様、お久しぶりにございます」
「おぬしは……東仙の…」
「…狛村隊長、お知り合いですか…?」
「要がいつも、お世話になっていましたね。副隊長さん。
内縁ではあったけど、要の妻だったものです。
でもあの方は今この世界にいる方では狛村様と、山本先生にしか、教えておられなかったから」
「……!!」


私の動きに、狛村様が事実にお気づきになったらしい。


「目は、治ったのだな…。」
「えぇ。このとおり。……だから、要を止めに行きます。
……山本先生から…九番隊を受け継ぐように言われたわ。」
「……受け継ぐ…?」


檜佐木さんが、改めて私の霊圧を探っているのがわかる。
そう、私の霊圧は、今はゆっくりと鼓動を打っているようなもの。
とてもでは、ないかもしれない。


「…遠い昔の話。あなた方がまだ、小さな子供であったであろう、そんな時の話。
わたしは隊主試験に合格したのです。…でもその後、私は虚との戦いで視力を失いました。
先生にお願いして、霊力を奥底へと封じ込め、私は、外での生活を望んだのです」
「…そして、隊長に出会われたのですね」
「そう。要を、止めるために、隊長を継ぐことになると思う。…あなたは、かまわないかしら?」
「……………少し、考えさせて、ください」
「…えぇ」



せっかく黒い世界が色づいたのに



また私の世界は一色に色づいた。



青い青い、世界。



憂鬱と、悲しみのブルーに。



その色を深く深く心に押し込めた。



次にこの色があふれ出るのはきっと、要が戻ってきたときだけ。






                 黒と青をぶち壊せ。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

管理人の言い訳コーナー



ど、どこがシリアスですか!?!?ねぇねぇ!どこがブラックなの!?
すいませんごめんなさい!
姫ちゃんリクの「要ちゃんでダークシリアス」だったんです。
だったんです。

…どこがだーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!(号泣脱走)