流水熱






…待て。




何なんだこの状況は。



とりあえずまず、思い返してみよう。




夕方。

彼氏である、恋次が俺のメシを食いたいとかほざきやがって
結局押し切られて俺の家に、あいつの好みのものを二人で買出しして帰ってきた。


で、夕飯を二人で向かい合って食べて、まぁ、それなりに落ち着いて
今この場で風呂に入ってるわけ、だよな?


…何で俺こいつの腕の中にだきこまれてるんですか?


って言うか待て


下半身にあたってくる…これは、どう判断しろと?


「…待て、待て!」
「いや、修兵さん。それ無理」
「無理とかじゃなくってだな、ここは!」
「風呂場でしょう?わかってますよ」


いや、わかってないだろ。わかってないだろ!
なんでいきなり発情してるんだよ!この万年発情犬!


「…修兵さん…しよ」


耳元に寄せられた唇から発せられる、熱を帯びた恋次の声。

うわ!やめろ!!その声は反則だぞ!恋次!
って、流されてどうする俺!

はっと気づいて、俺は必死に恋次の腕から逃れようと叫び声付きでもがいた。


「いや、ちょっと待てお前、何言ってんだよ!」
「待てない。待たない」
「お前な、発情期の犬みたいな…!」
「別にそれでもいい。ずるい。修兵さんが悪いんだ…あんな…色っぽいの…!」

俺が反論しようとしても、途中で口をはさんできやがった。
しかも言うに事欠いて色っぽいだぁ?!
俺のどこが色っぽいっていうんだ!

「全部。」
「は?!」
「口から全部出てきてるって…修兵さんも結構きてるだろ?さっさとあきらめてよ」

確かに、恋次の声と態度に、正直な俺の体は、少しずつ反応してきていて。
だからって答えてやれるほど俺は発情してないんだっつーの!

「るせぇ…!誰がわざわざこんなところで…っ!あ!」

逆らってもがいているうちに身体をがっちり抱き寄せられているのがわかる。
恋次の手が、俺自身に触れてきた。
こいつの手管に慣らされている俺の身体は、それだけで反応を示す。
その上に、さっきからずっと耳元から唇を離さないのだ、こいつは。

「うそつき…こういうところでされるの、好きなくせに…」

俺は、こいつの情事中の声に、てきめんに弱いのだ。
最初はそれに自分でも気づいていなかったけれど、いつのまにか性感帯になっていた。
それがわかってからというもの、情事中のほとんどの間、恋次の声は思いっきり耳元でささやかれている。

俺が思いっきり反応するのが、たまらない、とこぼしていた。

「…すきじゃねぇ!」
「素直じゃないよなー。今の状況でそんなこといえるあんたが大好きだよ、修兵」
「…っ!!!!」
「はいはい。もういいから観念してください」

けっきょく。
俺はこいつにかなわないのだ。と毎回思い知らされる。
おとなしくなった俺を改めて抱き寄せなおして、湯船に腰をかける恋次。
改めて俺の身体をじーーっと見た後にやり、という笑みを浮かべた

「やっぱり、結構限界だったんじゃないっすか」
「る、るさい…っあ…!」
「そんなこといってたらもっと意地悪しますよ」

胸元に恋次の舌が這い、腰あたりを抱きとめている手はいやらしく肌をなでている。
体中が、こいつに支配されている気分になる。
腰を支えられたまま、俺自身への愛撫が始まったと同時に、俺は別の感覚を覚え始めた。


や、やべぇ…。


「修兵さん…いろっぽい…体中ピンク色…」
「ちげ…これは…っ…あ…!う…んっ!」
「何が違うんだよ?感じてるんだろ?」

感じているのも確か。
口から否定とともに漏れる嬌声は、確かに恋次から与えられる愛撫に自分が反応しているのだから。


それとは違う感覚が、少しずつ俺の身体を支配してくる。


恋次の指が、後ろを這ってこいつによって開拓された最大の性感帯を攻め立てだしたと
ほぼ同時に脳が、危険信号を発し始める。

「んぁ…!れん…じぃ!ま…って…!」
「ここまできてそんなこというなよ、修兵」
「ちが…!だから…!あつ…!」
「感じてるからだろ?修兵のナカもすごい熱いし…」

感じているのか…のぼせているのかわからなくなって来たころ、体勢が変えられる。
やばい。やば、い。

最後に感じた、その言葉と同時に、俺の意識は、どこかへと行ってしまった。









「さ…ん!しゅうへーさん!」
「……ん…」
「はー…よかったぁ…これで目覚まさなかったらどうしようかと思った…」
「……あれ…?俺…」


次に俺が意識を取り戻したときには、俺はしっかり服を着ていて
目の前の恋次もしっかりと服を着ていた。
額には、冷たいタオルが置かれていて、身体も、さほどおかしくは無い。


…確か……俺、途中で意識飛ばしたんだよな…?


心配そうな恋次の顔で、すべてが理解できた。

「やってる途中でいきなりくたっ、ってなるんすもん。
俺生殺し食らったんすからね!身体治ったらぜったい付き合わせますからね」
「……いーよ…」
「え!」
「なんだよ…いやならいいんだぜ?」
「いや、いやなわけないっすよ!」

わたわたしている恋次を見上げて、に、っと笑顔を見せる。
俺がこういうこというのって珍しいからなー。

「生殺し食らったのは、お前だけじゃないんだよ?
…でも、絶対もう風呂場では欲情すんじゃねぇよ…。俺がもたねぇ」
「…………はーーい」

ぽふ、っと隣に倒れこんできた恋次にそっと擦り寄った。
…万年発情犬め。

何気倒れた後だからとか思って遠慮してるんだろうけど、身体がしっかり反応してることぐらい
俺にはよーーくわかった。
ぐい、っと恋次の腕をつかんで、引き寄せてやる

「わわっ!修兵さん?!」
「…しねぇの?」
「え、う、あ?」
「どもりすぎだお前。…あそこまでやってお預けは無いだろ?」
「……そりゃ、少しは思ったけど…修兵さん…だいじょ」

この期に及んでやっぱり俺の身体心配してやがったな…。
最後まで言わせてやるもんか。

そんな風に思いながら俺は恋次の唇を奪った。
無理やりに唇の中に舌を割り込ませて、追い立ててやる。

すぐに、主導権は恋次にわたった。

「ふ…ぁ…」
「ずるいよ…修兵さん。俺がせっかく我慢してるのにさ…」
「のぼせただけだろ…それくらい、なんてことね。あそこまでされてたのに…途中でやめんな…」
「……手加減しませんよ?」
「いつもしてねぇだろ?」

まだどっか気を使ってる恋次に向けて、ニヤリと笑顔を向けてやった。
変なとこ気使いやがるんだからよ。

やっとやる気になったのか、俺の身体に、恋次の指が這い始めた。
いくらのぼせて気を失ったとはいえ、熱が身体に上っていたのは事実。
あいつの指が、いやらしく身体をなで始めた時点で、俺の熱は、しっかりと戻ってきた。

「…やらしい」
「誰のせいだ……っん…」
「俺。もっとやらしいとこ、みせて。修兵」
「ん……いいよ…もっと、やらしくさせて」

耳元で、呼ばれる名前。
いつの間にか気づかれていた。俺が、名前を呼ばれることがすごく好きだってことに。
一度お預け食らってるせいか、正直に言葉がもれる。
首筋や、胸元に、恋次の舌が這って、自身に恋次の手が触れている。


ぞくぞくして、たまらない。


「修兵のココ結構限界…?」
「るせ…ぁ…!」
「そういうこというんだ?修兵さん」
「ん…!!!ちょ…ま…」

いきなり、恋次の手の動きが激しくなった。
また、耳元に恋次の唇が寄せられる。
脳を浸食される感覚。押し寄せ始める、快楽。


「いいよ、イッちゃってよ。」
「…や…!あ、…れん、じ…!」
「いいって。やらしいとこ、いっぱい見せて」
「ん、あ…!ぁあああ!」


けっきょく、こいつの声と指の動きにかなうわけも無く。
俺は、促されるままに精を放った。
口からもれる、熱い息と、声にならない声。

「甘い…」
「ん…ぁ?!ちょ、お前…!」
「先輩の美味いっすよ?」

このやろ…!!!
俺の顔はきっと真っ赤だ。
俺のを手に絡めて、俺としっかり目線を合わせたまま、なめやがったのだ。
不覚にも、それに色っぽさを感じてしまった。

真っ赤な顔をとりあえず隠そうと、両手で覆う。

「この期に及んではずかしがらんでくださいよ、センパイ」
「…センパイって呼ぶな…!」
「はいはいしゅうへい、顔見せて?」

耳元に唇を寄せられて、またそんな風にささやかれる。
誰が見せれるか。
そんな風に思っていても逆らえなくなってくるのだ。


「ちょっと、我慢して」
「ん…?あ…!!」
「イッたばっかだからつらい…?」
「ちが…ん…っ!あ…」

俺のを思いっきり後ろに塗りこめてきているのが感覚でわかる。
熱い…。とてつもなく、熱い。
いやらしい音が、部屋中に響いていて。俺は、どんどん何も考えられなくなっていっていた。


「も、いくよ?」
「…ん…」

後ろへの愛撫が離れる空虚感の後、体制が変えられた。
後ろに、恋次自身があてがわれたのが、わかる。
ゆっくりと、ナカへ侵食されていく。


「ひゃ…あ…!ん…!」
「しゅうへい…!」
「ん…あ…あつ…い…れんじ…!」

ぎゅう、っと背中に手を回して、ナカに受け止めている熱を、ただ締め付ける。
熱くて熱くてたまらない。

まるで、またのぼせているみたいな、そんな感覚。


「そんな、しめつけんで…くださ…!」
「んなこといわれて…もむりぃ…!っ…あ…!」
「ここ…すきっすね…」

俺の反応をしっかり見抜いて、重点的に、感じるところを攻め立ててくる。
俺は、もう、ただ、感じることしか、できなかった。
恋次の動きに、ただ。

「ひあ…!あぁああ!」
「く…っ」


襲ってきた絶頂のあと、ひとしきり抱きしめあって、二人でまた、風呂に入ることになった。
身体をしっかり洗って、恋次の腕の中で湯船に浸かっている。


「…てめぇ、この期に及んでまた欲情するなよ?」
「わ、わかってますよ」


あきらかにどもっていたこいつは…本当に手に負えない、万年発情犬だと心から思った。
自然と、ため息がひとつ、湯船におちた。



+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


エロ言葉の襲来ですいませ…!(撲殺)