抱き心地 狛村Ver.





隊長の御顔を初めて拝見したのは、射場副隊長に頼まれ誰もいないはずの隊主室に書類を置きにいったためだった


そこには、昼休み明けのまどろみに身を任せているあの鉄笠を外した隊長がすぴすぴ眠っていたのだ。

びっくりはした

でもそれ以上に心を占めた触れてみたい!という気持ちに負け
私は書類を執務机に置いたあと、ポム、と頭のほこほこに手を置いた


途端、隊長が目を覚ました


「わぁ!も、申し訳ありません!起こしてしまいましたか?」
「………六席か。いや、すでに起きておった」

隊長の驚きの雰囲気にとりあえず手を放してじぃーっと見つめる
そんな私に驚きを隠さぬまま、問いかけてくる、隊長。


「…おぬしは、儂が怖くないのか?」
「…怖い?なぜですか?」


思わず質問を返してしまった私にさらに驚愕の色を濃くする隊長

「あの…犬じゃない…ですよね?」
「……狼じゃ」

やっぱりそうか…
うぅ、失礼に当たるかなぁ
も、もうちょっと触ってみたいよ。


「隊長」
「なんだ?」
「触ってもいいですか?」


内心少しビクビクしながらも視線をしっかりと合わせていった

「……あぁ」
「…じゃあ、失礼します」

座っていても私と背丈が変わらない隊長の頭にもう一度触れる

触り心地が…良過ぎる

首とかにくっついたらあったかそう…

そんなことを考えながら耳や頭のさらさらの毛に触れ続けていた

「…射場、かまわぬ、入って来い」
「は」

……はい!?
ふ、副隊長!?

き、気付かなかった…

副隊長が入って来るのを見ながらも私はついつい手を動かし続けていた

「…隊長」
「あ、え、あ…わ、私執務に戻りますっ!失礼しましたっ!」

副隊長と隊長揃いぶみという状況に耐え切れず私はどもりながらも隊主室を出て執務室へ戻った
手に残る感触に今日一日夢うつつになりながらも、なんとか執務をこなした自分に拍手したい気持ちになった私だった。






それから数日後、再び副隊長に頼まれ隊主室に書類を置きに行った
今度は鉄笠をかぶったままの隊長が待っていた


「書類をおもちしました」
「すまぬ、そこにおいておいてくれ」
「はい」

言われた通りに、執務机に書類を置く

「あの…隊長」
「なんだ?」
「失礼とは存じますが…もう一度触れさせていただけませんか?だ、ダメならもう申し上げません!」

雰囲気が明らかに驚いた風になっているのがよくわかった。
あのときから、何かが変わった気がしたのは、私だけだったのだろうか?
それとも…



「かまわぬ、おぬしが望むなら。」


その言葉とともに鉄笠が外された。


私は、そっと首元にぎゅ、っとだきついた。
ぴく、っと反応したのがよくわかる、接触度。


あったかいなぁ…。



「……おぬしは、あたたかいな」
「…え」
「まるで…包まれているような気分に、なる」
「……私も…とても暖かいです」


それは、きっと…体だけじゃなくって心も、抱き合えているからなのかも、しれない。



まだ、奥深いところまではわからないけれど
いつかもっと時が進んで、私たちの関係が『上司と部下』で無くなったら


この気持ちの意味も、わかるのかも、しれない。



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えー…。
狛村夢です。七番隊六席ってオフィシャルにいないよね!?出てないよね!?
そんなことだけを必死に考えておりました(笑)
この後は考えていませんが…まぁ、そのうちハッピーエンドになりますよ。


ただ、名前変換が少ない。少なすぎる。

…やっぱり狛村隊長だと…名前呼ぶシーンが書き辛くって(遠い目)



脱稿 4月13日。